ブックワームのひとりごと

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いい意味でのB級ホラー―澤村伊智『ぼぎわんが、来る』

ぼぎわんが、来る 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)

 

あらすじ・概要

妻との間に第一子を迎え、幸せな生活を営んでいた田原秀樹。その秀樹のもとに、奇妙な怪異が訪ねてくる。その怪異は娘、知沙の名前を知っていた。謎の怪異に対抗するために、秀樹は「ぼぎわん」の伝説について調べ、お守りや霊能力に頼ろうとするが……。

 

現代的な味付けのB級ホラー

「傑作とは言いがたいけれど結構好き」というタイプの作品でした。

展開やホラー描写が洗練されていないし、読んでいても大して怖くありません。ネタとしても新しいものはありません。

 

それでも面白いのは、この作品がかなり現代的な味付けをされているからです。

まず面白いのは主人公の「なんちゃってイクメン」っぷりで、表面上はいいパパを演じながらも本腰を入れて育児を行ってはいません。その薄気味の悪さ、身勝手さが半分ギャグのようでした。

そして霊能力者姉妹のひとり、真琴は子どもを産めない体質です。子ども好きなのに産めないゆえに他者の子どもを何かと気にかけてしまうきらいがあり、そのために知沙を心配しています。

血縁をテーマにした怪異なのですが、その一方でキャラクターの造形としては血縁に重きを置いていません。そういうところがすごく現代的で面白いです。

 

ツッコミどころが多いんですがサクサク話が動いてつい続きを読み続けてしまうし、安っぽい感じの世界観もある意味親しみやすいと言えないこともないし、「B級」の言葉が褒め言葉になる作品だと思います。

映画が一部でカルト的人気を持っているのもわかる気がします。これは映像映えしますね。

ぼぎわんが、来る 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)
 

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