あらすじ・概要
高校生の翔花は、ある日目覚めると月曜日のはずのその日は火曜日だった。その後も次々に時系列が飛び、翔花は混乱する。翔花は記憶のない月曜日の日記に書いてあった内容に従い、クラスメイトの若松和彦に相談してみる。初めは疑っていた若松だったが、翔花の様子を見て彼女に協力する。
パズルのようなプロットで時空を超えたラブロマンスを
上下巻だけれどさほど長くないのでまとめての感想です。
いや~面白い!
パズルのようなプロットが徐々にはまっていき、話が進むにつれて全体像がわかってきます。そして最後に迎える大団円はとても美しかったです。
ちょっとひねくれているものの、頭がよく義理堅いイケメンが女の子を助けてくれる話なので、女性にもウケそう。
いわゆるスカした野郎で失礼な発言も多いんですが、必ず約束は守ってくれるし、頭の回転が速くて状況の把握も早い。
そして若松が普通の時間を生きているのに対して、翔花が途切れ途切れの時間をさまよっているので、時空を超えたラブロマンスとしての性質もあります。
しかし、ネタバレが致命的な作品のため、詳しく説明すると面白さが減ってしまうのが難点です。感想が書きにくい……。
かいつまんで私の心の動きだけ説明すると、
ふーんこういう話なのね
↓
えっそういう!? えっ!?
↓
ええええあれもこれも伏線!?
↓
無駄なところひとつもなく終わった……。
という感じです。
キャラクターの造形や口調、文体に古臭いところがあるので、「今でも色あせない」とは言えません。しかしそれもレトロな雰囲気でで悪くありませんでした。
面白かった!
しかしあとがきは美しい物語の余韻が台無しで萎えました。こんなしょうもないあとがき書くくらいなら、いっそ載せない勇気を持ってほしい。