あらすじ・概要
ふたり組イラストレーターコンビ、まのとのまの今度の旅行先は中国・北京。本場の中華料理に舌鼓を打ち、天安門広場で人ごみに流され、急勾配の万里の長城を必死で登る。中国のニッチでディープな情報をイラストと文章で紹介する。
食べっぷりがいい食レポはいいよね
刊行は2008年。このころは今ほど日本と中国の関係が悪化していなかったし、中国の少数民族に対する非人道的行為が公になっていなかったんだなあと感じます。中国に対する感覚が良くも悪くもポジティブでした。
それはともかく著者ふたりの食べっぷりがよくて見ていて気持ちいいですね。好き嫌いの少ないタイプの人はうらやましいです。私はよそのアジア系の食べ物が苦手だからなあ。(においのきついものが苦手)
北京はモンゴルに近いので、料理も羊や臓物料理が多いと知りました。近場の異民族の影響を受けるんですね。
廃墟趣味で復元されてきれいになった万里の長城ではなく、復元前の荒涼とした廃墟の長城に興奮しているのも面白かったです。というか北京近辺で見られる廃墟って結構あるんですね。清朝の離宮が廃墟のままだったり……。
紹介する食べ物やお菓子のデザイン、万里の長城やお店の背景など、きっちり描き込まれているので雰囲気をつかみやすかったです。旅行コミックエッセイは画力が高い方が楽しいです。