あらすじ・概要
親に美大に行くことを反対され、ナースを志すことにした著者。しかし看護学校の時代から、苦難の連続だった。過酷な実習、先輩からのいじめ、セクハラやパワハラ。しかも多くのナースが辞めていく消化器内科に入ってしまい、著者は環境の悪い職場で働き続けることとなる。
楽しくないけど面白くはあった
楽しい話ではなく、むしろ憂鬱になるような描写が多いのでつらかったです。
セクハラやパワハラ、先輩からのいじめ、賄賂など、昔の「病院」のダークサイドが山ほどつづられています。
ゴシップ的に面白くはあるんですが、これを読んで「ナースは素晴らしい」とは思えないですね。
しかし、パワハラもセクハラも罪に問われなかった時代は怖いです。ナースが普通に尻を触られる世界……。
ぞっとしたのは医療ミスの話ですね。腫瘍のある場所を左右間違えても、言葉巧みに再手術をして逆の場所を開け、医療ミスを報告しない。昔「医療ミスをちゃんと公表する病院は良心的だ」と聞いたけれど、本当だったようです。
開いたお腹から医療器具が出てくるのも本当にあるんだ、と驚きました。
下世話な話ではあるんですが、面白いことは面白かったです。人に勧めるならもっとハッピーな話にしたいけど。