ブックワームのひとりごと

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昔の病院の怖さがわかる―田中ひろみ『ナースは今日も眠れない!』

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ナースは今日も眠れない!

 

あらすじ・概要

親に美大に行くことを反対され、ナースを志すことにした著者。しかし看護学校の時代から、苦難の連続だった。過酷な実習、先輩からのいじめ、セクハラやパワハラ。しかも多くのナースが辞めていく消化器内科に入ってしまい、著者は環境の悪い職場で働き続けることとなる。

 

楽しくないけど面白くはあった

楽しい話ではなく、むしろ憂鬱になるような描写が多いのでつらかったです。

セクハラやパワハラ、先輩からのいじめ、賄賂など、昔の「病院」のダークサイドが山ほどつづられています。

ゴシップ的に面白くはあるんですが、これを読んで「ナースは素晴らしい」とは思えないですね。

しかし、パワハラもセクハラも罪に問われなかった時代は怖いです。ナースが普通に尻を触られる世界……。

 

ぞっとしたのは医療ミスの話ですね。腫瘍のある場所を左右間違えても、言葉巧みに再手術をして逆の場所を開け、医療ミスを報告しない。昔「医療ミスをちゃんと公表する病院は良心的だ」と聞いたけれど、本当だったようです。

開いたお腹から医療器具が出てくるのも本当にあるんだ、と驚きました。

 

下世話な話ではあるんですが、面白いことは面白かったです。人に勧めるならもっとハッピーな話にしたいけど。

ナースは今日も眠れない!

ナースは今日も眠れない!

  • 作者:田中ひろみ
  • 発売日: 2017/07/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
わたしがナースを辞めたわけ