あらすじ・概要
痴漢から助けたことから、織原姫という女の子と知り合った桃田薫。彼女に一目ぼれした桃田は、お礼を理由に会う。しかし彼女は、女子高生の格好をした27歳だった。ふたりはお互いの価値観や話題の差に悩みつつも、惹かれあい恋人になりたいと思うが……。
惚れた女のためにがんばる男は愛しい
Kindle Unlimitedで読了。
えっちな年上のお姉さんに愛される話、ではなく、むしろ主人公である桃田がお姉さんを口説き落として大切にしているシーンが多いです。好きな女のために頑張る主人公、大変好感度が高いです。褒めたたえたくなります。
しかし学生なのでクサい演出をしてしまいそうになったり織原との食事で一喜一憂したり、年相応なところがあるのもかわいいですね。
乗り越えることで二人の愛情がより一層深まりそうなエンターテイメント性に富んだ困難なんて、現実ではそうそう訪れないのだろう。
という一文にある通り、ふたりの前の困難は現実味のあるものです。そのリアリティがご都合主義になりすぎない小説を作り上げています。
年の差によるギャップや葛藤を存分に織り込んでおり、周囲の人々も結構シビアなことを言ってきます。その困難さを踏まえても、一緒にいたい、恋人になりたいと思うふたりの姿はよかったです。
主人公の友人のカナとウラも、厳しいことを言いつつ友人の幸せを応援していてほほえましかったです。男子三人組の友情っていいよね。
しかし私は主人公の桃田より織原姫と年が近いので、姫の頼りなさやポンコツさ、あいまいな態度に「大人なんだからはっきりしろ！」と言いたくなってしまいました。
これは私が周りの女性と彼女を比べてしまうからだろうし、主人公が成人していたり同世代カップルだったりしたら気にならなかったと思います。
とはいえこの部分は好みと視点の問題なので、作品のクオリティが低いわけではありません。この部分が気にならなければ面白いと思います。
