あらすじ・概要
高校生の「僕」は寮の押し入れの中にダンジョンが広がっていることに気づく。そこにいたのは、死んだはずの妹、あーちゃんだった。あーちゃんと一緒にダンジョンを発展させていく僕だったが、そこには不穏な侵入者が現れる。あーちゃんはなぜダンジョンにいるのか? その謎が明かされるとき、僕は選択を迫られる。
雰囲気以外に褒めるところがない
個人的には嫌いじゃないですがそれ以上に突っ込みどころの多い作品です。
童話のような牧歌的な世界観で、妹とダンジョンを作ろう! というコンセプトはほのぼのとします。その平和なシーンに少しずつ影が落ち始め、不穏な方向になっていくのも面白いです。
どことなくすっとぼけた文体も心地よくて、すらすら読み進めることができました。
と言いつつおすすめしがたい部分もたくさんあります。
ひとつは、キャラクターが全体的に子どもっぽく愚かだということです。高校生が主人公だけど、小学生か? という気分になってきます。
キャラクターを子どもとして認識するならいいんだけれど、思いを重ねられる存在として見なそうとするとうまくいきません。
その上その子どもっぽい雰囲気の中にわざとらしくお色気描写が投入されるので、話の腰を折られた気分でした。正直この雰囲気に露出やラッキースケベは似合わないと思います。
主人公が女性の友人のおっぱいのことばかり気にしているのも嫌ですね。一人称だからこそ発生する苛立ち!
雰囲気はいいけれど雰囲気以上のものがあるかと問われると正直微妙ですね。