あらすじ・概要
巨大生物を監視する組織モナークのエマ・ラッセル博士は、娘のマディソンとともにモスラとの交信に成功した。しかしそこをテロリストが襲撃、エマは連れ去られてしまう。巨大生物を目覚めさせようとするテロリストによってモンスター・ゼロが目覚め、そこでエマが語ったこととは……。
人間の描写は徹底してトンチキ映画だよ!
狂気を感じる。いや、「狂ってる」という言葉は言葉としてきつすぎるのであまり使いたくないんですが、こう言うしか他にありませんでした。
感想に入る前に結論だけ申し上げると面白かったです。
まずおかしいのが、怪獣たちが現れたとき対策をする組織「モナーク」の連中の価値観がみんな狂っているんですよね。
怪獣って、本人(本獣?)には悪気はないかもしれませんが、人の日常を破壊していくもので、一般的な感覚からすると好きにはなれないものではないでしょうか。沖縄の人間がいっぱい来るからって台風好きだと思いますか?
でもモナークの学者たちは怪獣に肯定的だし、ゴジラが現れると「ゴジラがなんとかしてくれる」という態度だし、実際何とかなってしまう。おかしくないですか!?
でも人種性別問わずモナークの人間はおかしいので、これはこれで平等なのかもしれないと感じてしまいます。
途中からめちゃくちゃ笑いながら見てたんですよね。怪獣要素はともかく、人間側の話は完全にトンチキ映画なんですよ。でもこんなトンチキ映画を撮って面白く感じさせるのはすごかったです。
怪獣映画はたまに地上波でやっているときに見るくらいで、完全ににわかなんですが、この映画は圧倒的に異質でびっくりしてしまいました。
怪獣要素のおまけとは言え、こんな異常者の集団を映画にすることある!?
怪獣要素の部分は……うん、モスラがかわいかったです。あとギドラは別に悪意があるわけじゃなくて自分の生存本能に従っているだけなのにぼろくそ言われてて大変そうでした。人間だって地球を住みやすいように改造してるじゃないですか。
宗教映画とは言い得て妙で、基本的に多神教のノリなんですよね。ティターンを殺すゼウスとかエジプト神話のセトとホルスの争いみたいな話を怪獣でやっています。それを信仰する人類がおかしいのも納得。
何がやばいってこれを「面白いでしょ?」と出してくる制作チームと監督です。面白いけど、面白いけどここまで突っ走ったもの出てくるとは思わないですよ。この映画はおかしい。