あらすじ・概要
女芸人阿佐ヶ谷姉妹。彼女らはふたりで狭いワンルームに暮らしていた。同居のわずらわしさや楽しさ、近所の人たちとの交流を交互にエッセイとして書き記していく。ふたりの書いた恋愛小説も収録。
「普通」でないことを受け入れられる生活うらやましい
すごくうらやましい本でした。
40代でふたりとも独身、男の影はまったくなく、キャラクターづくりのためとは言えおそろいのおかっぱと眼鏡というちょっと変わった風貌をしている阿佐ヶ谷姉妹。
しかしそんなプロフィール上の「普通」でないところはそのままに、描かれているのは穏やかな日常です。
阿佐ヶ谷に住む人々との心温まる交流も記され、誰も彼女らが「普通」でないことを気にしていないように見えます。
これはエッセイだから、脚色や省略は入っていると思います。しかし女でふたり暮らしをする阿佐ヶ谷姉妹が、住民として受け入れられ、地域のコミュニティに存在しているという事実に少し救われます。
そう思うのは私が結婚できるのは望み薄だからでしょうね。阿佐ヶ谷姉妹のように生きられたら、きっと楽しいだろうなあ~。
書かれていることは住んでいる部屋のこと、近所の人のこと、引っ越しのことなど、ものすごくありふれていて尖った内容ではありません。
でもその生活感や柔らかい語り口にも癒されました。疲れているときにも読めそうなエッセイです。