あらすじ・概要
イラストレーターの著者は夫と子どもとともに、イギリスの首都ロンドンで暮らしている。ロンドンでの暮らしは文化の差を強く見せつけられることが多い。外国人から見たロンドンの姿を、エッセイと漫画で語る。
日本人が家族を持ちロンドンで暮らすということ
文化の差を強く意識する作品で面白かったです。
ロンドンがすごいとも日本がすごいとも言わず、語り口が淡々としているので読みやすかったです。マウントを取っていないというか。
面白かったのがロンドンにおける子どもの扱いです。治安が悪いせいか小さい子どもをひとりにしない文化があり、遊びに行っても送り迎えは当たり前、ひとりで留守番させるなんてもってのほか。西洋人は子どもを合理的に扱うような気がしていたんですが、これを読むとそうでもないのかもしれません。
それから子どもがパーティをするときに用心棒を雇ったり場所を借りたりするところが面白かったです。日本ではパーティなんてそんな大仰なことなかなかしませんよね……。それが日常なのがすごい。
保護者同士でデモの誘いの情報が回ってくるのも興味深かったです。日本ではこんなしれっと政治活動の誘いはされないですよね。本当に市民が市民活動やっているんだな、とちょっとうらやましかったです。
この本はEU離脱やコロナウイルスの蔓延が起こる前の作品なので、今となっては古い部分もあります。最新の情報だと思わない方がいいですが、イギリスの文化を知る面では面白かったです。