あらすじ・概要
芸術大学の学生だった著者は、芸大から介護の仕事をしている人の話を聞いたことから介護職を志す。新卒で飛び込んだ老人ホームで、個性豊かな高齢者たちと出会った。介護という過酷な仕事の中で、お年寄りと触れ合い、話すことで著者は働き甲斐を見つけていく。
認知症の人を優しく見守ってくれることにほっとする
介護という仕事に本当にやりがいを感じているんだなあと思う内容です。表現があたたかくて優しいです。
展開されるのは利用者である高齢者の楽しいエピソードや、ほっこりする会話です。認知症が進み、記憶があいまいになっている高齢者たちは脈絡が変な話し方をしてちょっと面白いです(不謹慎かもしれませんが)。
しかし将来親の介護や自分の介護が心配になる中で、こうやって認知症の人間を面白がったり優しく見守ってくれる人がいるというのは救いです。安心します。
ただめちゃくちゃ給料が安いのは申し訳ないですが……。
あえて介護の仕事のいいところだけを描いているのかもしれません。でもこういう本があるとほっとするんですよ。
芸大卒ということで、漫画でありながらどこかアート的な絵柄です。線に強弱がなく、ほどほどに手ぶれをしていて漫画というより挿絵のようです。
芸術で食っていくことは難しいけれど、別の仕事をしてそこで知ったことを糧にして表現していく、という選択肢もあるんですよね。