ブックワームのひとりごと

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雑な精神論で問題を解決するのはやめよう―山咲黒『レイデ夫妻のなれそめ』

レイデ夫妻のなれそめ (ビーズログ文庫)

 

あらすじ・概要

レイデ夫妻の妻のほう、リナは愛らしい外見で周りを虜にする力があった。しかし彼女は、冒険に憧れ、非日常に惹かれる女性だった。一方夫のザイラスも、リナの知らない一面を抱えていて……ふたりは魔物に関する事件に巻き込まれ、お互いの新しい一面を知る。

 

キャラクターは好きだけど展開がいまひとつ

ヒロインのキャラクター自体は好きなんですが、進行するストーリーがいまひとつでした。

 

まずキャラクターの魅力から。女性向けライトノベルでは珍しく、はっきりきっぱり美形設定をされているところはすごくいいと思います。「平凡な見た目」って本文にあるのに表紙ではめちゃくちゃキラキラした美人だっていう矛盾はもう飽きましたよ!

そして見た目はおしとやかで愛らしい女性なのに、冒険と見れば血が騒がずにはいられない、トリッキーで危ない中身なのが面白かったです。この性格はどんどん物語を引っ張っていってくれるのでいい。

 

一方で、ストーリー自体はあまり面白くありませんでした。世界観において「魔物」の扱いがどういう風なのかせりふで説明されるだけで、描写やストーリーで展開されることが少ないため世界観に深みがありません。あくまでキャラクターがそう言っただけですからね。

あとクライマックスですごく真剣な悩みを吐露した人物に対して、「愛」とかいう雑な精神論で対応するのはどうかと思います。どうしても心に訴えかけるなら、作品全体でそれをテーマにしてほしかったです。

 

面白いところはなくもないけど全体的に詰めが甘い印象です。