あらすじ・概要
オークや吸血鬼、エルフなど、多種族が住むシアトル。プレイヤーはそこで夜だけ開くカフェの主人となり、客のために材料を選んで飲み物を出す。ストーリーが進むにつれて、客たちの悩みが明らかになり、交友関係が広がっていく。
飲み物を出しておしゃべりするだけでキャラクターも世界観も物語も説明している
舞台がアメリカなのにアメリカっぽくない作品だなと思ったら、作られた場所はインドネシアなんですね。
確かに人の弱さの描き方がアジアっぽい気がします。
ノベルゲームだけれど劇的な展開はなく、ただただ客に飲み物を出しておしゃべりを聞くゲームです。しかしその会話がすごくいい。
会話から読み取れるのは、多種族が住むシアトルの事情、客それぞれの悩みや夢。そしてコーヒーを出すことによって客たちの行動や思いが少しずつ変わり、エンディングにつながります。
ただしゃべっているだけでここまで世界観やキャラクターを説明できるのはすごいですし、なおかつ会話が不自然ではありません。飲み物を出し続けているうちに、自然と物語へ入っていけます。
この作品の唯一のゲーム要素である「飲み物を作って出す」部分はすごく凝っているというわけでもなく、中にはこのヒントじゃそうそう正解にたどり着けないだろう、という場面もあります。
しかしこの「飲み物を出す」という行動のおかげでまるで自分がマスターになったような気分になり、本当に客に相談を受けているかのような臨場感で物語が読めるんですよね。
飲み物を作るときのコーヒーマシンの音やしょうがをスライスする音もすごく気持ちのいい音で、自分がめちゃくちゃコーヒー淹れるのがうまい人のような気がしてきます。
キャラクター面では、大人しくて気弱な女の子が個人でゲーム開発をしていたり、ガタイのいい人狼の兄ちゃんが医療事務員だったり、ギャップのあるキャラがいるところがすごく好きです。
こういうのは多様性をテーマにした作品ならではですよね。
イケメンの吸血鬼モデルとかネコミミのアイドルとか見た目通りのキャラもいます。
1周目が終わったところですが、マスターの秘密は2周目にならないとわからないようです。でも1周目でもそれなりにオチているのでまず1周してみてほしいです。