あらすじ・概要
かつて動物病院で動物看護師として働いていた著者。そこに来るのは病気の動物たち。病院の前に猫を捨てられたり、気難しい院内の犬に襲われたり、著者にはさまざまな困難が降りかかる。犬猫とその飼い主たちと接した記録を今の著者が回想するコミックエッセイ。
動物病院で働く著者の成長がうれしかった
実家で長年猫を飼っていることもあって、エピソードそれぞれが身近に感じられました。
特につらかったのは動物病院の前に猫を捨てられる話ですね。うちの近所にも無計画に猫にえさやってしまう人が多くて困っています。捨てられた子猫を見ると「何かしてあげたい」と思ってしまうし、捨てた本人はけろっともとの日常に戻ると思うと、本当にやるせないです。
連続で子猫を捨てられて、「このままだと安楽死も考えなければならない」と獣医が言うシーンは本当につらかったです。無計画に猫に手を出す人間がいなければこんな判断をしなくて済むんですが。
院内で飼っている動物のエピソードも面白かったです。なぜ動物を飼うのかというと、輸血のときに血を融通してもらうから。
院内動物を世話するのも看護師の役割です。
繊細で凶暴な犬に振り回される著者がちょっとかわいそうでしたが、何だかんだで成長の糧にできていてよかったです。
あとうさぎはかわいい。
シビアな話もありますが、語り口は穏やかでほのぼのとした作品でした。