あらすじ・概要
凛堂棘の兄凛堂荊と推理対決をすることになった皓と青児。案内された夜行列車には、多くの罪人たちが集められていた。これからこの車内で罪人たちを裁く連続殺人が起こり、皓はその実行者を当てなければならないという。皓たちは、列車の中で謎解きを始めるが……
第一部にふさわしい終わり方
一台の寝台列車に集められた罪人、彼らの間で行われる連続殺人! という状況。外連味もおどろおどろしさもあって楽しいです。それに妖怪要素も絡まってるもんだからもう大変。
キャラクターが多いだけあって展開は一読しただけではわからない部分もありましたが、それだけ最後まで濃い内容として読めました。
荊の目的は何となく予想していましたがその通りになりましたね。しかし相変わらず倫理のない動機だ……。人外じゃなかったら生々しすぎて読めないところでした。
ちょっと出てきた棘もとんでもない登場の仕方をして笑ってしまいました。こんなのあり!? と思ったけど許してしまいました。
あと罪人のひとりである鳥栖という男がすごくいいキャラしていて好きでした。彼だけで一冊本が書けそうです。脇役なのもったいないですね。
「自分は人でもあり魔でもある」ということを受け入れ、人の世と魔の世界の間に立つ存在になることを決めた皓。自らの罪と向き合い、過ちを背負ったうえでなお生きていこうとする青児。第一部完結にふさわしい、前向きな結論でした。
話はここで一区切りですが、続きを読むのも悪くないなと思える終わり方でした。
わり方でした。