ブックワームのひとりごと

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パワフルで正直なフィリピン出身の妻に振り回されている―前田ムサシ『フィリピンかあちゃん奮闘記』

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フィリピンかあちゃん奮闘記inジャパン (本当にあった笑える話)

 

あらすじ・概要

漫画家として芸の肥やしに行ってみたフィリピンパブで、出会った今の妻。結婚してみると、彼女はパワフルで正直で、強烈な個性の持ち主だった。著者は彼女に振り回される日々を送るが……。フィリピン人の家族と暮らす日々を、4コマで描くコミックエッセイ。

 

ネタは面白いけど日本のことを「普通」だと思ってるのがきつい

私の地元には出稼ぎの人が多い土地のため、フィリピンの人にすれ違うこともそこそこあります。日常で接点がないのでなかなか文化までは知る機会がないのですが、この本に情報が書かれていて参考になりました。

 

特にフィリピンの学校制度の話が面白かったです。フィリピンの学校では問題を解く紙をお金で買わなければならないらしい。こ、細かい……。でも日本でもノートは学生が買うし、それとどっちが得なのかはわかりませんね。

フィリピン人同士のパーティーの話も面白かったです。乾杯とお開きがないので永遠に続いてしまうパーティー、そりゃ巻き込まれたら居づらいでしょうね。話し相手もいないときついものがあるでしょう。

 

ただ、ネタはどれも面白いんですが、正直日本の「僕たち」が普通で、フィリピン人である「妻」が変なのだ、という固定観念を感じてしまって読後感はよくなかったです。

例えば私が外国人と結婚してその人の国に行って、その人が自分の愚痴ばかり書いたエッセイを出したとしたらいい気はしないですよ。

ノンフィクションではなくエッセイという「作品」である限り著者夫婦が実際どういう気持ちで夫婦生活を送っているのかはわからないですが、なんだかなあ。