あらすじ・内容
ある日自分の家族が加害者になったら……。犯罪者の数だけ加害者家族がいる。家族らはいやがらせや脅迫を受け、住んでいた土地から逃げざるを得ない場合も多くある。被害者への罪悪感と「まさかうちの家族が」という感情の間で揺れながらも、過酷な状況に直面する加害者家族の実態を紹介する。
Amazonレビューの高さとは裏腹に難とも煮え切らない内容の本でした。
その最大の理由は逃げ腰の姿勢でしょう。
著者は「加害者家族の人権を声高に主張するつもりはない」と述べますが、問題はそこではありません。「家族に対する正当な批判であれば仕方がないが、脅迫やいやがらせは『正当な批判』ではなく、人権侵害である」ということをはっきり言ったらどうなんだ。という話です。
自分の意見を明かさず、加害者家族の過酷な現実だけ述べて、結論を読者に丸投げする姿勢は誠実とは言えません。
内容としても他の本の内容をまとめた部分が多く、この本でしか読めないであろう情報が少なかったです。
その中でも、最初の加害者家族当事者への取材と、海外での取り組みの話はよかったです。
「あ、この事件の加害者家族も手記を出していたのか」という気づきは多かったので、ブックガイドとしてはいいかもしれませんが、それは本の本題ではないんですよね。
サクサク読めるので最後まで読んでしまいましたが、加害者家族について調べるなら他の本をおすすめします。