ブックワームのひとりごと

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乙女に近づきたいモテない男が京都の不思議に巻き込まれる―森見登美彦・音らんまる『夜は短し歩けよ乙女 新装版』

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夜は短し歩けよ乙女 新装版 上 (MFコミックス アライブシリーズ)

 

あらすじ・概要

冴えない京都の大学生である「私」は、サークルの後輩である乙女に恋をする。何とか彼女の目に留まろうと努力するのだが、その努力がずれているためなかなか実を結ばない。京都は、天狗や古本の神様が住まい、止まない大雨や謎の風邪が発生する不思議な場所だった。

 

京都なら不思議なことが起こっても変じゃないよね

小説のコミカライズ。もともと5巻あったシリーズを3巻にまとめたもののようです。

メッセージ性や説教臭さがないので肩の力を抜いて気楽に読める漫画でした。

 

まずヒロインである「乙女」がかわいらしくてにこにこします。おしとやかで優しくてでも結構行動力があって、はっきり言ってしまえば「モテない男の理想の女子」です。でもそこがいいんですよね。これはモテない男に感情移入して楽しむ作品なんだから。

こんなかわいい女の子だったら行動に一喜一憂しちゃうのは仕方ないよね、と思えます。

 

世界観は現代の京都を下敷きにしていますが、特に読者に説明もなくどんどん不思議なことが起こります。トンチキだけれど「京都」という舞台に助けられているところはあります。あれだけ歴史と文化のある町なら不思議なことが起こっても変ではないな、と思ってしまいます。

古本市や大学の文化祭にある非日常性に不思議現象が絡んで独特の空気を醸し出していました。

 

ただ結構セクハラシーンが多いので、そういうのが苦手な人にはおすすめしません。原作自体がちょっと昔の作品なのもあると思いますが。

 

ちなみにアニメ映画版も見ているんですが、雰囲気やストーリーがかなり違いました。こちらの記事もよろしければ。

honkuimusi.hatenablog.com