ブックワームのひとりごと

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フランスの三兄妹が迷惑かけたりかけられたり―『ローラとふたりの兄』

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パネルに顔が反射しないようにしたら写真が変な角度になってしまいました。

 

あらすじ・概要

月初めの木曜日には両親の墓の前に集合する習慣のある、ローラとふたりの兄。ピエールは三回目のブノワの結婚式で、新婦の名前を忘れるという失態を犯してしまう。そのことでけんかになったブノワとピエールを、ローラは取り持とうとする。迷惑をかけたりかけられたり、兄弟の絆とめんどうくささを描く。

 

みんなだめだけど愛はあり希望はある

コメディと言っても大爆笑できるようなものではなく、ところどころくすっと笑えるシーンがある感じ。

三兄妹のやらかしや葛藤は「あるある」と思うもので、どこの国へ行っても人間関係の悩みというのはついて回るのだなと思います。

ハンドクラフトにハマっている身内から怪しげなアクセサリーを押し付けられそうになったり、失業したことをなかなか言い出せなかったり、家出した義妹を家に泊めたり、この辺は日本でも起こることですよね。

一方でさっきまでめちゃくちゃけんかしてたのにあいさつのキスはちゃんとやるところがフランスだなあと思います。根暗そうなキャラもちゃんとスキンシップは取るところが異国の文化ですね。

 

面白おかしい内容ではあるんですが作品の後半はほろりと来ました。みんなだめなところあるけど愛はあって、愛がみんなを繋げています。家族って本当に面倒くさいけど希望でもあるんですよね。

誰かを愛することが人をまともにしてくれるのかもしれない、そんな気がしました。

 

ラストはちょっときれいに終わりすぎてご都合主義なところもありますが、彼らが今までしてきた苦労の報いとしてはありかなと思います。

多分三兄妹はこれからもけんかをして、助け合っていくのでしょう。

地味だけれど、しみじみ「いい映画だなあ」と思える作品でした。面白かった!