ブックワームのひとりごと

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女侯爵は魔術師の靴によって偽りの過去と向き合う―仲村つばき『シンデレラ伯爵の靴箱館5 偽りの乙女は時をかける』

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シンデレラ伯爵家の靴箱館5 偽りの乙女は時をかける (ビーズログ文庫)

 

あらすじ・概要

港町、シエルナがゴーストタウンになったという噂が入ってきた。アランとエデルは魔術師の靴の関与を疑う。そんな中、ガラスドームにひとりの女性がやってきた。彼女は

シエルナの女侯爵。片方だけ魔術師の靴を履いた彼女は、シエルナの街を救うためにアランに助力を乞う。

 

夢を叶えた代償を背負って生きる

今回のゲストキャラは女侯爵。履いていたのが片方だけとはいえ、魔術師の靴を履いて狂うこともなく、領主としてあり続けたところはすごいです。

夢破れたゲストキャラが多い中、彼女はある意味では夢を叶えたと言ってもいいでしょう。しかしその代償は、重いものでしたが。それでも代償を背負い、歩いていく彼女の姿はかっこよかったです。

 

2巻で一時退場したセスも再登場。年上好きは作ったキャラじゃなくて素だったんですね……。彼の結末はちょっとご都合主義的ではありましたが、このくらいのご都合主義はあってもいいかな、と思うくらいには彼のことが好きになってしまいました。これから頑張ってほしい。

 

後半からはアランの両親が登場。エデルとの結婚を反対されるであろう……ということは予想通りでしたが、反対の理由が思ってもみないものでした。でも言われてみると確かにそうなんですよね。

エデルもアランに守られてばかりの弱い女の子ではないと思いますが、この事態がアランの失敗なのも事実で、ここからどう取り返すかが今後楽しみですね。