あらすじ・概要
エリート教育をする学校に体験入学することになったカスカベ防衛隊の5人。誘った風間くんはやる気満々だが、他のメンバーは消極的で……。そんな中、風間くんが時計塔に住むという吸ケツ鬼に襲われ、ガキンチョになってしまう。残された四人と案内役の生徒会長のチシオは、吸ケツ鬼の謎を追うことにする。
ミステリとして堅実な作品
ミステリとしてはびっくりするような展開をするわけではないんですけれど、伏線の張り方とその回収方法が丁寧で、堅実に楽しめる内容でした。
コメディなので笑えるシーンがいろいろ出て来ますが、あとからそのばかばかしいシーンが伏線だったことがわかるので気持ちいいです。話の進行に無駄がありません。
それでいて、アニメ映画だからこそできるアクションシーンや愉快なシーンも多く、「ミステリをアニメでやる意味」を感じられる作品でした。
私はせっかちなたちなので情報量の多い映像作品って「小説に書いた方が速い……」と思ってしまうんですが、『天カス学園』は映像だからこそできる情報の詰め込み方をしていました。
ストーリーが反体制的というか、「アンチエリート教育」という内容なんですけれど、テーマ自体も面白かったです。
ただ教育を否定するのではなく、安易な点数で人間を測ることの愚かさ、若い人々が自分なりに成長していくことの大切さを描いていました。
ギャグなので説教臭くなりすぎないところもよかったです。これはクレヨンしんちゃんというコンテンツだからこそできるやり方ですね。
久しぶりにクレヨンしんちゃんを見ましたが、すんなり入っていけるくらいには面白かったです。