ブックワームのひとりごと

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恋愛する?感動する?学園生活送る? 青春アニメ映画おすすめ5選

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今日の更新は、青春アニメ映画おすすめです。

 

 

クレヨンしんちゃんの世界観の中の青春ミステリ映画『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』

エリート教育をする学校に体験入学することになったカスカベ防衛隊の5人。誘った風間くんはやる気満々だが、他のメンバーは消極的で……。そんな中、風間くんが時計塔に住むという吸ケツ鬼に襲われ、ガキンチョになってしまう。残された四人と案内役の生徒会長のチシオは、吸ケツ鬼の謎を追うことにする。

ミステリとしてはびっくりするような展開をするわけではないんですけれど、伏線の張り方とその回収方法が丁寧で、堅実に楽しめる内容でした。

コメディなので笑えるシーンがいろいろ出て来ますが、あとからそのばかばかしいシーンが伏線だったことがわかるので気持ちいいです。話の進行に無駄がありません。

それでいて、アニメ映画だからこそできるアクションシーンや愉快なシーンも多く、「ミステリをアニメでやる意味」を感じられる作品でした。

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AIが発達した田舎に歌うAIがやってきた『アイの歌声を聴かせて』

企業がAI技術の実証実験をしている小さな町。その街の高校にシオンという転校生がやってきた。変わり者の彼女は、実はAIで……。母親の作ったAIであるシオンの実験を無事に終わらせてあげたいと思ったサトミは、友人たちを巻き込んでシオンの秘密を守ろうとする。

「AIが発達した田舎町」という世界観が面白くて、田園風景に立つ風車やソーラーパネル、ロボットが当たり前にうろうろする学校など、「今に近い社会なのに、どこか違う」という表現が上手いです。特に風車とかソーラーパネルって景観を損なうとされがちなのに、この作品ではかっこよく描かれているのは新鮮です。

ストーリー自体も伏線の回収がきれいで面白いです。序盤に出た何気ないアイテムや発言が後半からどんどん回収される気持ちよさ。特に一番大きなネタばらしはよかったです。ちょっとホラーじみているところも含めて。

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空想の羽根を広げる幻想アニメ『夜は短し歩けよ乙女』

うだつが上がらない大学院生「先輩」は、「黒髪の乙女」に片思いをしている。なるべく彼女の目に留まるべく奔走するが、思いは空回りをし続ける。古本市や秋の学園祭など、一夜のはずなのにくるくると場面が変わり続け、先輩と乙女は夜を駆け回る。

ファンタジーというより幻想文学という感じでした。京都を舞台に、不思議なことが起こり続け、しかも登場人物たちがそれをいぶかしむ様子がありません。心象世界と現実世界の境界線がはっきりせず、寓話のようなコメディのような雰囲気を醸し出しています。

おそらくこの先輩や黒髪の乙女と一緒に、幻想に身を任せるのが一番いい見方なのでしょう。ストーリーの整合性やリアリティよりも、あざやかなアニメーションの本流を楽しんだほうがよさそうです。

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「世界か、それとも少女か」のSF『天気の子』

異常気象で毎日雨が降り続ける東京。離島から家出をしてきた少年・穂高はあやしげな雑誌の編集部に拾われ、アルバイトをすることになる。そんな中出会った少女、陽菜は空に祈ると100%晴れにできる能力を持っていた。穂高は陽菜とその弟と組み、「晴れ女」として晴れを呼ぶ仕事をすることになる。

「世界か少女か、の二者択一」「少年少女の破滅的な逃避行」「あまりにも美しい破壊」。これらが描きたかったんだな、ということが映像からもシナリオからもはっきり伝わってきます。

雨続きで混乱に陥る東京はあまりにも美しく、陽菜が呼ぶ晴れ間は神が降臨したかのように神々しい。そして少年少女の愚かで刹那的で終わりの見えている恋を、徹底的に美化して描きます。

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天気の子

天気の子

  • 醍醐虎汰朗
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挫折を味わった大人のための青春映画『空の青さを知る人よ』

事故で両親を失い、二人で暮らしてきたあかねとあおいの姉妹。「東京に出てバンドをする」と言うあおいは、自分に音楽を教えてくれた相手、しんのと再会。しかしシンノは、子どものころ出会ったままの姿だった。一方あかねは、音楽イベントにやってきた演歌歌手のバックバンドに、かつての恋人である慎之介を見つける。

姉妹の物語と同時に進行されているのが、高校生のしんのと31歳の慎之介、ふたりでひとりのキャラクターの物語です。

若いゆえのまっすぐさと明るさを持つしんのと、東京で人生の闇を味わい、疲れた大人になってしまった慎之介。これは過去の自分と現在の自分が、お互いを受け入れあう話でもあります。

最初の慎之介は本当に嫌な奴だったけれど、ラストの怒涛の展開でいろいろ許してしまいました。捨て去ったものをもう一度取り戻して、また歩き始めていくんでしょうね。

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以上です。興味があるものがあれば視聴してみてください。