ブックワームのひとりごと

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貧乏ふたり暮らしの生活感あふれる食事風景―得能史子『ペリーさんちのおきらく貧乏ごはん』

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ペリーさんちの、おきらく貧乏ごはん (ぶんか社コミックス)

 

あらすじ・概要

ニュージーランド生まれのペリーさんと暮らす著者。あまり収入の多くないふたりは、いつも節約してご飯を食べている。買い込んだ食べ物を計画的に使いつつ、ときにちょっと贅沢をしたり、作り置きを使い回したり……。ふたり暮らしの食卓をユーモラスに描いたコミックエッセイ・

 

特に役に立つ情報はないけれど質感がいい

コマ割りがないのでコミックエッセイというよりイラストエッセイっぽい感じ。

1話ごとにレシピが載っている以外は、特に節約に役に立つエッセイではありません。しかし描かれるふたり暮らしの質感がよく、ほほえましいのでこれはこれで楽しかったです。

ほほえましいと言ってもラブラブ! とか理解のある夫! という感じではなく、誰かと一緒に暮らす面倒くささを描きつつも、なお存在するお互いへの愛おしさがよかったです。

こういう本を読むと誰かと寄り添って生きるってうらやましいなと思ってしまいます。

 

切り取られる食事風景もとてもよかったです。個人的に好きなのはパンケーキをたくさん焼いてソーセージやホイップクリームを乗せて食べるくだり。これが非日常ではなく、「ちょっと豪勢な昼食」として描かれているのがまたいいんですよね。ちょっと豪勢な昼食がパンケーキ……理由はわからないけどすごくぐっときます。

さらにベーコンやスモークサーモンを買おうとして、思ったより高かったのでソーセージに鞍替えするところがまた生活感があって好きです。

 

この本を読んで何に役に立つわけではないのですが、ほっこりして肩の力が抜けるような作品でした。読んでよかった。

 

って好きでした。