あらすじ・概要
闘病して亡くなった父を「汚い」と感じたことをきっかけに、強迫性障害になった著者。不潔への恐怖や、コンピューターウイルスへの不安、何度も鍵をかけたことを確かめるなど、強迫的な思考に悩まされることとなる。そんな中、漫画の賞を取り、連載をすることに。
強迫性障害による悩みと友人のありがたみ
続編を先に読んでいるけれど、どちらが先でも読める内容ではありました。
続編が強迫性障害の治療を描いたものであるのに対して、この巻は強迫性障害に悩まされる日々を描いています。
不潔が怖くて何回も何回も手を洗ってしまったり、原稿用紙を汚すのが怖くて儀式的な行動を繰り返してしまったり。
普通の人にはよくわからない行動でしょうが、私自身不安が強いタイプの人間だし、強迫性障害の人と接したことが何度かあるので気持ちはちょっとわかります。
不安を意識するほど、不安になりたくないと思うほど、逆に不安は大きくなっていきます。その混乱を丁寧に描いているところが面白かったです。
著者に「強迫性障害による行動を肯定はしないけど何だかんだ付き合ってくれる友達」がいるところもよかったです。肯定してしまうとますます思い込みが強くなってしまうかもしれませんが、友達付き合いを止めず気長に付き合ってくれるところが素敵です。
病んでいるからこそそういう友人のありがたみってわかりますよね。
強迫性障害ってどういう病気? ということを知るのにはいいのではないかと思います。