ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

自閉っ子の親が専門家の協力を得て「できること」を増やしてあげることに挑戦―たなかれもん『自閉っ子サンちゃんのライフスキルトレーニング:ハイタッチから広がるコミュニケーションの世界』

このブログには広告・アフィリエイトのリンクが含まれます。

自閉っ子サンちゃんのライフスキルトレーニング: ハイタッチから広がるコミュニケーションの世界!

 

あらすじ・概要

自閉スペクトラム症のサンちゃんとその家族。サンちゃんの強いこだわりやわがままに家族が振り回され、主導権を握られてしまっていた。専門家の協力を得て、サンちゃんが「できること」を増やし、人とのコミュニケーションを取れるようにするために家族で頑張るコミックエッセイ。

 

親の工夫や心がけの範囲で「できること」

自閉スペクトラム症の子どもにできることを増やしてあげるにはどうすればいいか? という漫画。

一言に療育と言っても住んでいる地域、お金の都合などでできること、できないこともあるわけで、親の心がけや工夫でできることを紹介してくれているところはよかったです。

私は結婚していないし子どももいないけれど、「どれだけしょうもないことでもほめる」「注意するのではなくほめる方向に持っていく」というのは日常生活でも使えそうだなあと思います。

 

ただ母親である著者が、精神的、肉体的に疲れてしまい、1年ほど休んでいたくだりは悲しいような「それもそうだ」って感じのような複雑な気分になりました。

これだけ子どもに気を遣い、仕事もし、家事もこなし……ってやっていたら疲れてしまいますよね。

子どもを支えなければいけないからこそ自分のことも大事にしなければいけないのだろうな、と思いました。

 

サンちゃんは明確に自閉っ子ですが、自閉というほどでもないけれどコミュニケーションが苦手な子どもにも有用そうではあります。

内容が充実している割にAmazonレビューが少ないのが本当にもったいないと思います。「難しい子ども」の子育てに悩んでいる人にもっと読まれてほしいです。