あらすじ・概要
ある日、人類は全員石化してしまい、滅びた。3700年後の未来、高校生の大樹は石化から目を覚ます。先に起きていたのは、科学の天才である千空だった。千空は、この滅びた文明を科学技術で復活させるという。千空と大樹は、手始めに石化を解く方法を研究し始める。
モラルの高すぎる科学者主人公の話
Twitterのフォロイーの情報から、マッドサイエンティストな主人公が知識チートで無双する話だと思ったら、いい意味で想像と違いました。
まず主人公の千空がマッドサイエンティストではなく、科学者としてめちゃくちゃモラルが高いんですよね。ひねくれものでツンデレなところはあるにしろ、「科学は人を幸せにするためにある」という原則で動いています。敵対する人間にも手を差し伸べる、博愛主義的なところもあります。
天才であると同時に努力家で、ことを為すためには苦労を厭いません。
千空のモラルの高さ、周囲への優しさや責任感があるから、知識チートをやっていても嫌な感じがしません。「自分だけ独り勝ちしてやろう」ではなく「みんなで幸せになろう」という方向性です。
千空の周囲のキャラクターたちも、「千空より愚かな存在」として描かれるのではなく、「それぞれ役割分担がある」という路線で描かれるのがよかったです。千空にできないことを他のキャラクターがやる、という展開なので周りを下げないところが気に入りました。
現実には、科学では解決できないことは多くあり、この社会は矛盾に満ちています。しかし千空の生き方のような、理想を描くのもたまにはいいかなと思います。誰かが描かないと理想は忘れられるものですしね。
ただ、私に知識チートの趣味がないせいか、2期に差しかかったあたりで内容にだれてきてしまいました。どうしても困難→科学で解決しよう!の繰り返しになってしまいます。
ただ知識チートの描き方にもいろいろ幅がある、という点では参考になりました。