ブックワームのひとりごと

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KindleUnlimitedで完結まで読めるおすすめ漫画5選

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今日はKindleUnlimitedで完結まで読める漫画のおすすめをまとめてみました。

しかし例によってKindleUnlimitedは読める電子書籍が入れ替わるので、DLする前に必ず「まだKindleUnlimitedに入っているか」確かめてください。

 

 

嫁姑の戦いをするうちに町を救う戦いへとたどり着く『かんかん橋をわたって』

三つの地区に分かれている町で、川南(かーなみ)から川東(かわっと)へ嫁いできた渋沢萌。優しい夫とともに、嫁として毎日頑張っているが、どこかうまくいかない。そんな折、萌は自分の姑が「川東一のおこんじょう(意地悪)」と呼ばれていることを知る。自分の家族を信じたい萌はそれを否定するのだが……。

読み進めているうちに川東には「嫁姑番付」なるランキングが存在することが判明。その辺からツッコミどころが多くなってきますが、物語は気にせずどんどん進行していきます。そしてついには、川東を覆っている悪しき文化、その文化を創り出しているラスボスと対決することになります。嫁姑漫画ってこんなに壮大でしたっけ?

説明してしまうとイロモノなだけみたいに思われるかもしれないですが、とにかく漫画がうまくて、もっと読みたい、結末が知りたいという一心でどんどん読み進められます。

また、どろどろしていつつも女性同士の友情や信頼、共闘関係が描かれていてさわやかなシーンも多いです。弱い立場にある女性同士が助け合い、手を取り合って社会の理不尽に立ち向かっていく、シスターフッドの物語なんですよね。

読み終わって何だったんだこの漫画……となりましたが、非常に面白かったです。

honkuimusi.hatenablog.com

 

 

AIと恋に落ちた少女は戦争を止め世界を救う『アイとアイザワ』

見たものをすべて記憶する能力を持つ「カメラアイ」を持つアイ。その類まれなる「目」を買われ、ある実験に参加することになる。それは、AIと対話することだった。そのAI「アイザワ」に恋をしたアイは、戦争から世界を救うための戦いに巻き込まれていくこととなる。

SFでラブストーリーでサスペンスでエンタメでした。ここまで多重的な要素をきっちり書ききるのはすごいですね。

アイザワに恋をしたアイが、世界の命運をかけた戦いに巻き込まれていく過程ははらはらしました。そして戦争が起こる理由、黒幕は誰なのか……という秘密が明かされ、事態はどんどん壮大になっていきます。

オチ自体はすごく珍しいものではないですが、ここまでの作品のテーマやアイとアイザワの関係を踏まえるとこういう終わり方もありだと思いました。一貫して物語のための物語だったんですね。

人外と人間の恋愛ものとしても面白かったです。

honkuimusi.hatenablog.com

 

 

ディスレクシアのマジシャン少年がマジックで人々の心を支える『ファンタジウム』

会社員の北條は、カジノでいかさまをしている少年、長見良と出会う。彼は北條の祖父竜五郎にマジックを学んだという。そして彼は、難読症(ディスレクシア)というハンディキャップを持っていた。彼の才能を生かしたいと思った北條は、マジシャンとしての良をサポートする。

ディスレクシアの良に向けられる悪意や偏見が生々しく、読むのがつらいシーンもありました。しかし同時に、悪意を持つ人にも二面性があり、一言では説明できないような人生があることも示してくれます。

人間だからいいところも悪いところもあって当たり前、そういう人間同士が共存していくから社会なのだ、という人間観は現実味があって好きです。

描かれる悪意も善意も表面的ではなく、人間の内面に踏み込んだ描かれ方をしています。

良がマジックをしても悲しみや理不尽が解決するわけではありません。しかしマジックを通して、自分を振り返ったり前向きになれたりします。エンターテインメントにはそういう力があります。

混迷の時代にエンターテインメントは何ができるか、ということが描かれた作品だったと思います。

honkuimusi.hatenablog.com

ファンタジウム(1)

ファンタジウム(1)

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60歳になった女の幼馴染三人組が同居を始める『ルームメイツ』

働きづめで結婚できなかった女、結婚生活が嫌になって逃げだした女、妻子ある男の愛人として生きた女。幼馴染である彼女らは60歳になり、思い立って同居を始める。自らのこれまでの人生を振り返りながら、新しい出会いや別れを経て老年の日々を過ごす。

友達同士のルームシェアものって「いつまでも一緒だよ」という流れになりがちだと思うんですが、この作品では自然な形でルームシェアから出ていくキャラクターがいます。彼女に対して他のふたりもそれなりに葛藤を持ちつつ、部屋を出ていくことを受け入れます。

その他にも徐々に妻からの離婚を受け入れていく夫、仕事に夢中でいたかったけれど子どもを持つことを決断した女性など、「変化すること」がこの作品のテーマになっています。

その変化にはどこか物悲しさを伴いますが、「変化によって生き方を変えることは恥ではない」という暖かいメッセージも感じます。価値観なんて変わって当たり前で、それでも今までの人生を否定する必要はないのだと。

60歳になり、永遠などないのだとしみじみ感じる時期になって、人生に迷い、また決断をする三人組の姿には励まされました。

honkuimusi.hatenablog.com

 

 

正直すぎるパティシエと東大生と天然娘が店を運営して地域を幸せにする『アマイタマシイ~懐かし横丁洋菓子伝説~【完全版】』

甘いもの大好きな大学生川嶋と、政治家を目指す天然娘柴田は、天才パティシエの熊谷をスカウトしてさびれた駅前に店を構える。しかし熊谷は正直すぎるひねくれもので周囲と軋轢を生む。それでも何とか店を維持しようとする三人。ある日舞い込んだのは、テレビ局からの出演依頼だった。

基本のノリはトンチキギャグなのですが、よく見るとちゃんとキャラクターも作り込まれていることがわかります。

例えばパティシエである熊谷は思ったことをすべて言ってしまうタイプで周囲としょっちゅうけんかをしていますが、読み進めるにつれて正義感の深い男だとわかります。「できない」と言われたことをやりたくなるひねくれものっぷりも、最初から決めつけてあきらめることが嫌いなのだろうなと思います。

天然そうに見えてタフで未来志向の柴田、東大生というブランドを蹴ってスイーツの道に入る川嶋も、すごく魅力的。

脇役も個性豊かだし、悪役ですら憎めない一面を持っています。キャラクターがテンプレ的ではないんですよね。

明るいけれど甘ったるくはない塩梅の作品で楽しかったです。

honkuimusi.hatenablog.com

 

以上です。興味があれば読んでみてください。