ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

女主人公が活躍するライトノベル・ライト文芸10選

 

 

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ときどきに女主人公もののまとめ記事を描いているのですが、検索流入もTwitterからの流入もそれなりにあるので、需要があるのかと思いラノベ・ライト文芸バージョンも作りました。

需要があるわりに紹介する人が少ないジャンルなので、もっと他のブログでも取り上げてもらえると嬉しいんですけどね。

 

 

 

犯罪組織に引き取られた少女は取引を覚える『デ・コスタ家の優雅な獣』

身寄りがなく内気な少女ロザベラは、名家デ・コスタ家に引き取られる。しかしそこは異能を持つ一族だった。ロザベラは一族の血を繋ぐために従兄弟と結婚して子を残すことを要求される。このままだと幽閉されてしまうと恐れたロザベラは、「一族の一員」として認められるため裏切り者を探し出すことになる。

ヤクザ要素をふわっと振りかけたハーレム物の作品かと思っていたのですが、ふたを開けてみるとガチの犯罪組織小説であり、殺人・暴力・薬物がどんどん出てきました。いい意味でびっくりしました。もちろんエンタメとして楽しめる範囲で収めてあるので大丈夫です。

ひ弱でかわいい女の子ロージーががどんどんひどい目に遭うのでちょっとサディスティックな快感がありますし、最終的にロージーがたくましくなっていくので読者としてあまり罪悪感を覚えずに済みます。

ラストのロージーの選択は本当にかっこよくて必見です。

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人の上に立つ自覚がある王族ばかりの少女小説『花冠の王国の花嫌い姫』

花粉症なのに花あふれる国エスカ・トロネアに生まれてしまった姫君のフローレンス。彼女は花のほとんどないラハ・ラドマへの輿入れを狙う。ラハ・ラドマの王子の求婚を受けてかの国に向かうが、王子をはじめ周囲には「なぜ大国の姫がうちのような小国に?」と警戒されてしまい……。

主要登場人物であるフローレンスにもイスカにも、人の上に立つ人間としての自覚があるのが素晴らしいです。

周りの従者や国の民衆も含めて幸せにしたいという主人公ふたりの態度が最高です。ここの国に住みたい。

イスカはいつも臣民を思って優しい行動をするし、フローレンスは自国の利益のために策謀を張り巡らせることを否定しない。形は違えど、ふたりは「王族」としての態度を知っています。

そういうふたりがお互いをリスペクトし、惹かれあっていくのがいいんですよね。わかりやすい胸キュンシーンや、いちゃつくシーンが少ないからこそ、精神性に惹かれているところが強調されています。そこに痺れました。

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乙女ゲームの悪役に転生したら罵倒の呪いをかけられた『不思議の国のハートの女王 世界の強制力で毒吐きまくり!?おかげで破滅ルートに入りそう』

ハートの国の女王、エリノアは自分が転生者であることを思い出した。ここはどうやら現代日本でプレイしていた乙女ゲームの世界だった。くしくも「口に出す言葉が高飛車な罵倒になってしまう呪い」にかかってしまったエリノアは、思っても見ない発言で周囲を振り回してしまう。しかし、攻略対象の帽子屋は、エリノアの味方に付いてくれて……。

転生コメディを読んでいたと思ったら、壮大な多世界のリンクについて知ってしまい、そこからギャンブル対決になった。何だこれ。

何気なく読み流していた部分が実は伏線だったり、フレーバー程度かなと思っていた「不思議の国のアリス」要素がさまざまな方向から回収されていたり、よくできたライトノベルだなあ……と感心しきり。

どんどん伏線や描写を積み上げて、終盤で盛り上げて終わる、ということが違和感なくできています。エンターテインメントだなあ。

また、自分のためだけではなく周囲のことも思いやれるエリノアがかっこいいです。

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コミカルだけど硬派なフェンシング青春小説『Let it BEE!』

内気な少女、有星結恵は顧問の蜂谷巴に誘われ、廃部寸前のフェンシング部に入部。しかし彼女には、先端恐怖症という大きなハンデがあった。団体戦に出場するため、巴とフェンシング部のメンバーたちは結恵をフェンサー(フェンシング選手)に育て上げようとする。

初心者、結恵の成長を軸に、フェンシング部のメンバーの優しさ、フェンシングという競技の面白さ、そして心を震わせてくれるライバルとの出会いが、詰め込まれていて面白かったです。

ライトノベルらしいコミカルさがありながら、中身は硬派なキャラクターも良かったです。

楽しい掛け合いをしつつも、基本は「フェンシングで勝ちたい」という気持ちが一番大事にされているところが、スポ根らしくて楽しめました。

淡い恋愛要素もあるけれど、あくまでそれはスポ根ストーリーを邪魔しない程度のもので、どこまでも硬派だなと思いました。

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鎧をかぶった魔女で令嬢な乙女が王子のために大冒険『重装令嬢モアネット』

当時婚約者だった王子に「醜い」と言われたことで日がな一日鎧をかぶって生活するようになったモアネット。森の中で魔女として暮らしていた彼女の元に、王子と従者のパーシヴァルがやってくる。王子が不運に見舞われ続けるのはモアネットのせいであり、呪いを解いてほしいと言われるのだが、モアネットに心当たりはなく……。

作中のほとんどでモアネットは鎧をかぶっており、挿絵でもがっつり鎧です。その描写にはライトノベルというコンテンツにおける外見至上主義的展開へのアンチテーゼを感じます。

そんな外見に自信のないモアネットが、根はお人好しゆえに王子とパーシヴァルを助け、外見ではなく精神性や能力で自分自身の居場所を得ていくのは前向きで勇気づけられました。

女性が男性を助け、その過程でロマンスが描かれる。モアネットが主体的になっていく過程が面白かったです。

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子羊のようなお嬢様が悪役令嬢の幽霊に取り憑かれてしまって女女バディを組む『エリスの聖杯』

婚約者の浮気現場を目撃してしまったコニー。それだけならまだしも、浮気相手の意地悪に巻き込まれてしまった。そこで助けてくれたのがスカーレット。彼女は10年前に処刑された稀代の悪女だった。幽霊のスカーレットに取り憑かれてしまったコニーは、しぶしぶ彼女の復讐に付き合うことになる。

悪役令嬢の処刑、婚約破棄……と「なろう系でよくある話」から始まっていくのですが、しょっぱなから「スカーレットはどういう悪役令嬢なのか」「なぜ婚約破棄なのか」という設定がしっかり作り込まれていて、「こりゃ普通のライトノベルとは違うな」と思わせてくれます。

話が進むごとにどんどん登場人物が増えていくけれど、みんな個性が強くて背景も面白いので覚えられます。章ごとに登場人物を振り返ってくれるコーナーがあるのもありがたいです。

悪役令嬢が実はいいやつ……ではなく、スカーレットは本当にいけ好かない女なんですが、「そもそも貴族社会が魑魅魍魎跋扈する大変なところだよ」という話なのでスカーレットだけに嫌らしさが集中するわけではありません。みんな違ってみんなクズ!

そんな弱肉強食の社会で子羊のように弱かったコニーが、スカーレットの影響を受けてどんどんたくましくなっていくのは爽快感がありました。

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食いしん坊の妃が、略奪婚させられてそこで生きる道を探す『流転の貴妃 或いは塞外の女王』

皇帝の貴妃の中で一番の不美人だったことから、異民族の王に外交の道具として嫁ぐことになった柴紅玉。しかしその婚礼へと向かう途中で襲われ、略奪された先の氏族で「妻」になるはめになる。そこでめあわせられたのは、アマルという年下の少年だった。

世界観はかなり過酷で古くさく、主人公は早々に略奪婚(しかも周囲はそれが悪いと思ってない)されるし、奴隷もごろごろいます。女性は財産であり男の思惑によってやりとりされ、戦士を貴ぶ社会なので老いて役に立たなくなれば大事に扱ってもらえません。

主人公は大変な食いしん坊で、話が進むほどに太っていきます。太っている主人公が痩せるのはよくあるけど太るんだ!?しかも商人の娘でお金に詳しく、後宮では自らそろばんを叩いて商売をしていました。この説明をする導入だけでも面白いです。

ある意味少女小説のアンチテーゼ的なヒロインで、見た目は平凡とか言いながらかわいい挿絵にされたりはしないし、男よりも自分のやりたいことを選ぶし、男に頼るのも自分で自分の居場所を勝ち取ろうとします。

「女性受けしやすいヒロイン」を安易に目指さず、きちんと背景や個性を書いた上で魅力的に書いているのがよかったです。

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母の形見の踊る靴を取り上げられて、傍にいるため靴職人になる『シンデレラ伯爵家の靴箱館』

かつて「シンデレラ」とあだ名される女性が王妃となり、靴の生産が盛んになった国。アデルはその子孫であるディセント家に勝手に踊る母の靴を鑑定してもらおうと持ち込む。しかし形見である母の靴を取り上げられてしまう。アデルは母の靴と一緒にいるために、ディセント家のアランが運営する靴工房で働くことになる。

アランの靴工房で働くアデルの職人としての成長が、きっちり描かれているところが面白かったです。お仕事ものとしてすごく真っ当なんですよね。

失敗を乗り越え、改善を目指し、報連相の重要さを解く。理不尽なパワハラ描写がなくてもお仕事ものは書ける。

アランも突然デレたりせずにアデルを職人としてリスペクトしているところがよかったです。

シンデレラの靴を巡るアデルとアランの戦いも見ものです。

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十三歳の皇后、宮廷の謎を解く『十三歳の誕生日、皇后になりました』

皇帝に後宮入りを願い出ようとしたところ、皇位簒奪が起こり、流れで新皇帝暁月の皇后になってしまった莉杏(りあん)。十三歳の彼女は皇后の務めを果たそうと、宮廷の中の謎に挑む。

十三歳のヒロインが王宮の謎に挑むライトミステリ。幼くも皇帝を支えようと奮闘する莉杏がいとおしく、かっこよくもありました。

トリック自体も、動機と行動にそれぞれ「キャラらしさ」があってそこが面白かったです。

ちょっとした思惑のずれが事件を起こしたり、いやがらせかと思いきや実は……だったり。意外性がありつつ、きちんとストーリーに応じた「らしさ」だったので楽しめました。

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強くて気高い女が最後まで強くて気高いまま恋をする『政略結婚~金髪の姫将軍は元敵国の好敵手に嫁ぐ~』

王国アルデーリアのレオーネは、姫でありながら将軍として活躍していた女性。しかし敵国ゼルジオスとの停戦が決定し、その証として敵将ベルトルドに嫁ぐことになる。ベルトルドはレオーネの戦場での好敵手だった。腹をくくって敵国に嫁いだレオーネは、荒廃したゼルジオスの王都を見て……。

主人公のレオーネは戦場ではめちゃくちゃ強く、ベルトルドに嫁いでからもその強さに裏打ちされた優しさで使用人や王太子と接していきます。

相手役であるベルトルドも、レオーネの強さを尊重しており、男だから、夫だからという理由でマウントを取ったり差別的な発言をしたりしません。

とはいえこの作品はチート路線ではなく、レオーネがすぐ解決できない問題もたくさんあります。侵略行為のやりすぎで荒れ果てた国、ベルトルドが支えている次期国王である少年、敵国からやってきた王女に対する周囲の目線。

でもそういう諸問題を解決したいと思うところにレオーネの優しさがありました。

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以上です。興味があったら読んでみてください。