ブックワームのひとりごと

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コミックエッセイというより実話をもとにしたギャグ漫画感ある―弾正よしかげ『心臓が止まった私と余命3ヶ月の祖父』

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心臓が止まった私と余命3ヶ月の祖父 (コミックエッセイ)

 

あらすじ・概要

突然不整脈を起こし、病院に行ったら即入院することになった著者。闘病の日々をコミカルに描く。また著者には、「生きたいように生きる」という価値観に影響を受けたパワフルな祖父がいた。心臓の手術をした闘病記と、実家の祖父との交流を描いた二本立てコミックエッセイ。

 

人生を大雑把に考えられそうなコミックエッセイ

コミックエッセイというより実話をもとにしたギャグ漫画かと思いました。そのくらいギャグのキレが軽妙。

描かれていることは病気のことでシリアスなのに、不謹慎なくらい明るく笑い飛ばしているのでびっくりします。

自分のことをここまでネタにできるのはいっそ尊敬しますね。

描かれていることが何かの役に立つとか、メッセージ性があるとかではないのですが、読んでいて元気が出るコミックエッセイです。

 

心臓が止まった私と余命3ヶ月の祖父が何らかの関連があるのかと思っていたら、「心臓が止まった話」と「祖父の話」の二本立てでした。

祖父の話もパワフルで、細かいことがどうでもよくなってくる語り口のテンションの高さ。倫理的にツッコミどころがある描写もあり、正しい作品ではないのですが、勢いに押し切られました。

人間正しいだけで生きているわけではないんだから、こういう生き方もありかな……と思えてきました。

 

読んでいて「人生いろいろあるし、でもまあそれなりに幸せなことがあればそれでいいか……」と大雑把に考えた感想が出てくる、そんな作品です。