ブックワームのひとりごと

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1巻で何も解決していないけれど世界観とキャラはよかった―深山くのえ『王と后』

王と后 (小学館文庫キャラブン!)

 

あらすじ・概要

七つの貴族家が支配する国。王に輿入れした天羽の娘淡雪は、天羽と他の貴族家との仲たがいによって后であるうちは幽閉される定めだった。淡雪はその運命を受け入れていたが、王である鳴矢が自分に一目ぼれをしたことを知って凪いでいた心が動き始める。

 

世界観やヒーローのキャラはいい

一冊最後まで読むくらいには面白かったけれど、全体的に何も解決しないまま1巻が終わってしまったので、これは続き物前提だなあと思いました。キャラクターや世界観が好きなら続きを読んだでしょうが、正直そこまでではありませんでした。

 

まずよかったところから話します。

和風でありながら「平安もの」「戦国もの」という感じの特定の時代ではなく、架空の時代、架空の宗教観、架空の文化を構築しているところは面白かったです。日本のパラレルワールドというより日本の近くに架空の国がある感覚です。

また、ヒーローが偉ぶったところのない、素直で優しい男だったのが癒されました。普通に優しい男が報われる話って案外女性向けで少ないんですよね。優しい男を求めている人はチェックしてみてもいいと思います。

 

一方で、世界観が特殊であるゆえにかなり説明的なシーンが多いのと、その説明にページが割かれてしまってストーリーの展開が遅くなっているのは欠点だと思いました。

せっかくヒロインが千里眼のような、便利な能力を持っているのだからこれを説明に上手いこと使えばいいのに、と思いました。

 

続きはよっぽど気が向かないかぎり読まない気がしますが、面白いことは面白いし、私以外の人には刺さるかもしれません。そんな作品です。