あらすじ・概要
とある漁港の古い船に母親と一緒に暮らしている喜久子。その母、肉子はちょっとお馬鹿で太っていて、でも明るい性格の女性だ。周囲より少し大人びている喜久子は小学校に通い、クラスメイトと交流しつつ、自分の存在に思い悩むようになる。友達のこと、肉子のこと……。
クールで淡々とした、でも自分を抑圧している小学生の話
共感できるとか作中の価値観を肯定できるという感じではなかったですが、作品のクオリティ自体は高かったです。
主人公喜久子のクールで淡々としたところ、清涼感のあるところは見ていて美しかったです。それでいて、内なる葛藤を抑圧し自分でも気づかずにいるところ、いつの間にかずるい思考をしてしまうところは小学生らしい欠点だと思います。
クラスメイトの勝ち気な女の子マリア、チック症の少年二宮との交流は、「こういうことありそうだなあ」とリアリティを持って見られました。
今時の作品としてはコメディのノリは古いし、初経の描き方が気持ち悪くてそれはどうかと思ったんですが、今を生きている子どもの人生を肯定するというテーマには忠実だったと思います。
倒れた喜久子に会いに来てくれた人々の言葉が優しく、そのシーンは少しほろりと来てしまいました。
自分の趣味ではない、でも悪くないかな。という感じの映画でした。