あらすじ・概要
ヘラとゼウスの息子、ヘラクレスは、ハデスに人間になる薬を飲まされ人間として生きていくこととなる。自らの出自を知ったヘラクレスは、英雄となり神の一員となることを目指した。そんな折、蠱惑的な美女メガラ(メグ)と出会い、ヘラクレスは好意を抱くが……。
倫理的なツッコミどころが多い
ギリシャ神話の世界はもともと現代人の感覚からすると倫理のない社会ですが、神話の倫理と現代人の倫理とのすり合わせができていない作品だと感じました。
例えばヒロインのメグは蠱惑的なキャラクターですが、男にセクハラされて困っていたりハデスに一方的に支配されていたり、男性社会の被害者です。
メグが理不尽な状況に陥る一方、主人公の味方側にセクハラを繰り返すキャラクターがおり、しかもそれが悪いことだと描かれません。
ストーリーの中のどこに倫理観を置きたいのかわかりません。
ハデスも、邪悪とかいいつつ彼に休みのない冥界の仕事を押し付けたゼウスに何の言及もないのか違和感があります。「したくもない仕事をやらされた」ってディズニーヴィランの悪事の動機としてはまともな方だと思いますからね……。
アニメーションとしてはミューズたちがゴスペルを歌う部分や、ヘラクレスが有名になっていく過程でグッズが販売される俗っぽさが好きでした。
文句は言っても、さすがに「見なければよかった」という感想を抱かないのはディズニーの実力というべきでしょうか。