あらすじ・概要
精神科医でありながら強迫症になった著者は、主治医との共著で強迫症のことを本に書く。強迫症がどんな病気か、主な治療方法は、家族は強迫症の家族にどうすればいいのか……。患者としての自分の経験も交え、強迫症の人のための文章を書く。
強迫症になった精神科医が強迫症について語る
面白かったです。メンタルヘルスの問題だけではなく、人の心に興味がある人は興味深く読めるのではないでしょうか。
この手の本は患者の側からしたらどうしようもない部分が強調されていることも多いです。例えば遺伝や生育環境の問題ですね。この本では患者の努力ではどうしようもない部分の話題はそこそこにして、患者や家族が何ができるかにページを割いています。
『強迫症を治す』という本自体が強迫症になった精神科医と、その主治医の共著で書かれています。それゆえに患者の視点を忘れずに書くことができたのでしょう。
著者は精神科医であり、医学部を出ています。本当は自分の行為が強迫的であることも、強迫的な思考に論理性がないこともわかっています。
わかっているのに、一度強迫症になったらなかなかやめられません。病気の恐ろしさを感じました。
著者が強迫症と戦う武器として、「知識」を挙げているのがよかったです。知識はあって困るものではないし、自分を支えてくれます。この本の知識が多くの人に共有されてほしいです。