ブックワームのひとりごと

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女主人公がゴリゴリに活躍する漫画おすすめ10選 歴史・ファンタジー・SF

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女主人公がゴリゴリに活躍する作品シリーズ、今回は漫画編です。過去にはこんなまとめを書いています。

 

 

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『百万畳ラビリンス』たかみち

百万畳ラビリンス(上) (ヤングキングコミックス)

人と関わるのが苦手でゲームばかりしていた礼香は、友人の庸子とともに不思議な世界に迷い込んでしまう。いくつもの部屋が連なり、謎の法則でできている世界を、礼香は持ち前の行動力と洞察力で攻略していく。どうやらこの世界には、人類の命運がかかわっているようで……。

最高の同性バディものでした。天才的なゲームのセンスを持ちながら、社会に溶け込めず生きづらさを抱えている礼香と、向こう見ずな礼香を心配し寄り添おうとする庸子。このふたりがタッグを組んで不思議な世界を攻略していくのが熱いです。

礼香はこの迷宮世界の攻略、庸子は自分の恋人や日常と、それぞれ相手とは別の大切なものを持っているところも「友情もの」として素晴らしいです。女ふたりの物語でありながら、関係が閉じていきません。

私はゲームはそれほどやらないのですが、読み進めるほどに混沌としていた迷宮のルールがわかってきて、主人公たちが自在に動けるようになるのが面白かったです。

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『ブレーメンⅡ』川原泉

ブレーメンII 1 (白泉社文庫)

宇宙船ブレーメンⅡの船長に抜擢された主人公は、そこで知性ある動物たちと働くことになる。初めてのことに戸惑いながらも、主人公は動物たちと困難を乗り越えていく。旅の終わりに、出会った1匹の黒猫とは……。

虐げられたもののために、みんなが立ち上がるシーンは何だか泣けてきます。本当にこういう世界であればと思いました。

テンポがいいのでサクサク読め、それぞれの話がポジティブな形で終わるので、疲れているときに染みる話です。

とはいえ黒ヤギと白ヤギの話は悲しいですが、それでも希望のある終わり方でした。

女性主人公なのに、好いた惚れたの話がなくすすむのがいいですね。恋愛をするキャラクターはいますが、それはゲストキャラです。主人公は一切恋愛しません。

それでもわざとらしくなく、自然に話が進むのもよかったです。

 

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『逃げるは恥だが役に立つ』海野つなみ

逃げるは恥だが役に立つ(1) (Kissコミックス)

大学院を出ても正社員として就職できなかったみくり。派遣切りに遭って求職中のみくりに、家事代行の仕事が舞い込んでくる。雇い主平匡(ひらまさ)と良好な関係を築いたみくりは、「就職としての結婚」を提案する。

有能だが少々理屈っぽい女性、みくりが魅力的。家事に生活に、対話で向き合います。

登場人物の恋愛模様がみんなかわいくて、女性向け漫画としてちゃんと面白いです。

そんな漫画がなぜいろいろな人の心を打ったのかというと、結婚に対するもやもやや、恋愛に対する固定観念を言語化して表現したからだろうなと思います。

その表現の仕方が本当に上手くて、男性読者が多いのもさもありなんという感じです。男性キャラが女性にとって都合のいいキャラではなく、一人の人間として尊重され、恋愛をしています。

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『かんかん橋をわたって』草野誼

かんかん橋をわたって (1) (ぶんか社コミックス)

三つの地区に分かれている町で、川南(かーなみ)から川東(かわっと)へ嫁いできた渋沢萌。優しい夫とともに、嫁として毎日頑張っているが、どこかうまくいかない。そんな折、萌は自分の姑が「川東一のおこんじょう(意地悪)」と呼ばれていることを知る。自分の家族を信じたい萌はそれを否定するのだが……。

読み進めているうちに川東には「嫁姑番付」なるランキングが存在することが判明。その辺からツッコミどころが多くなってきますが、物語は気にせずどんどん進行していきます。そしてついには、川東を覆っている悪しき文化、その文化を創り出しているラスボスと対決することになります。嫁姑漫画ってこんなに壮大でしたっけ?

説明してしまうとイロモノなだけみたいに思われるかもしれないですが、とにかく漫画がうまくて、もっと読みたい、結末が知りたいという一心でどんどん読み進められます。

また、どろどろしていつつも女性同士の友情や信頼、共闘関係が描かれていてさわやかなシーンも多いです。弱い立場にある女性同士が助け合い、手を取り合って社会の理不尽に立ち向かっていく、シスターフッドの物語なんですよね。少年漫画という評もあるけどこの点は女性向け漫画だと思います。

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『魔女ヶ丘通信』唐草ミチル

魔女ヶ丘通信 (主任がゆく!スペシャル)

人間の村で暮らしていた魔女、マノンは人間と魔女が共存する街ウェネリーフィカにやってきた。初めて見る自分以外の魔女との交流にカルチャーショックを受けつつ、マノンはウェネリーフィカで生きていく術を見つける。それは、お菓子を作って売ることだった。

「魔女」と「人間」の二種類の種族がいる社会で、魔女は魔法が使え、人間より体が強く、寿命も長いです。

魔法が使えて身体が強い分魔女は大雑把で適当で、繊細な能力に欠けます。そんな魔女の欠点を、人間社会育ちの魔女である主人公マノンがコミュニケーション能力や器用さで補っていくというストーリーです。

基本的に前向きで、童話的で牧歌的な世界観ですが、主人公マノンの相棒に意外な過去があったり、意地悪で嫌なキャラクターにひょんなことから助けられたり、何気ない魔女たちの多面性が面白かったです。

優しい世界だけれど甘やかしすぎないような世界観・人間観が好きです。

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『笑う大天使』川原泉

笑う大天使 1 (白泉社文庫)

聖ミカエル学園という超お嬢様学校に通う三人娘。彼女らはお互いが庶民出身だということを知り、意気投合する。そんな中、女子高の女の子を狙った誘拐事件が多発する。ふざけた理科実験で怪力の力を得た三人娘は、誘拐事件に巻き込まれていく。

正直設定の部分はめちゃくちゃなのですが、そのめちゃくちゃさを楽しめるだけどギャグセンス、雰囲気の作り方が上手いです。整合性が取れている=面白いではないと感じさせます。

主人公三人娘も、生粋の主人公気質ではなく、面倒なことを回避しようとしたり、目立つことを嫌がったりするところが親しみやすかったです。

主人公なので結果的に問題を解決するのだけれど、解決した後でも一貫してとぼけたキャラクターなのが趣深いです。

また、ベタなオチからあえて外したような結末が面白かったです。「いつものやつ」じゃない展開がいいですね。

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『メイプル戦記』川原泉

メイプル戦記 1 (白泉社文庫)

とあるお菓子会社の女性社長の思い付きで、結成された女性だけの野球チーム「スイート・メイプルス」。いろいろな事情でメイプルスにやってきた女性たちは、ときに悩みときにのほほんとしながら、優勝への階段を駆け上がる。しかし、シーズン後半でメイプルスは壁にぶち当たる。

女性チームが男性だらけのプロ野球で優勝するという夢物語ではありますが、それゆえに面白かったです。

女性がスポーツで男性に拮抗できるというシナリオ自体が現実には無理です。だからこそ、思いっきり抑圧や固定観念から解放される女性を描いた方がいいというのは正しいです。

チームには亭主関白すぎる野球選手の夫から逃れて自ら野球選手になった仁科や、男性なのに男性を好きになってしまい、女性として生きることを望んだ瑠璃子がいます。

彼女らは、さまざまな葛藤を抱えながらも、プロ野球を通して自分を抑圧するものと向き合っていきます。

そして彼女らを見つめるチームメイトが優しく、ときに助け合う姿が素晴らしかったですね。

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『オモテナシ生徒会』ドリヤス工場

オモテナシ生徒会 (角川コミックス・エース)

女子高にやってきた転校生、赤羽かのこ。彼女はとある人物を探し、写真を見せながら学校の生徒に聞いて回る。生徒会の会長が写真の人物の情報を知っていることがわかったが、なぜか会長と麻雀対決をすることになり……。赤羽かのこの探し人とは、そしてこの学校の真実とは。

面白いのですが、どこからツッコんでいいのかわかりません。ボケ倒しの漫才を見ている気分ですね。

そもそも何でも麻雀やポーカーや花札で解決するような世界観がわけがわからないし、登場人物たちもあまりそこに疑問を抱かないので「待って、置いていかないで!」という気分になります。こんなさくさく話進めちゃっていいんですか?

加えて、繰り返される「どこかで見たような」ネタ。パクリではなくて意図的にオマージュにオマージュを重ねています。何なら最後も角川文庫の巻末に載っている文章のパロディでした。

世界観もストーリーもパロディも、登場人物が誰もツッコミに回らないから読者側がツッコみ続けなければいけない漫画でした。

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『大阪環状結界都市』白井弓子

大阪環状結界都市 1 (ボニータ・コミックス)

大阪で警察官として働いていた森かなたは、大阪環状線を監視し守るOシステムで「何か」を見てしまう。その「何か」は「みぎわもん」と呼ばれる大阪に現れる超常のものだった。かなたはみぎわもんをめぐる戦いに巻き込まれていくが、それにはかなたの行方不明になった妹、しおりも関係しているようで……。

大阪ネタ満載のローカルSF。地元民はにやりとできます。

大阪ネタとは裏腹にオカルトSFとしてはシリアスな内容で、環状線を監視するシステムOシステムと、大阪に現れるおばけのようなもの「みぎわもん」の関係が、かなたの視点から少しずつ明かされていきます。

終盤の、大阪で一番大きなお祭り、天神祭を舞台にしたスケールの大きい戦いはわくわくしました。妹を助けたいというかなたの思いと、大阪を守りたい「さかみ」、や「O研究所」の意思が強く反映されてどきどきしました。

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『春日局』池田理代子

春日局(1)

戦国時代に生まれた少女、福は、父親が明智光秀に与したことから逃亡生活になる。結婚して子どもをもうけたものの、将来への不安から徳川家康の孫の乳母となる。福はやがて、その孫である竹千代が将軍になるためにすべてを懸けるようになる。

強い女はかっこいいなあという気持ちと、血のつながりのない息子への執着が怖いという気持ちで引き裂かれています。ちいかわ風に言うと、「心がふたつある」状況になる作品です。

のちに春日局と呼ばれるお福は、織田信長の死亡時に一族が明智光秀についていたことから、幼いときに逃亡の身の上になります。

最初は自分の子どものために竹千代(家光の幼名)の乳母となった福が、次第に竹千代に強い愛情を持つようになり、最後には自分の子どもより竹千代を優先するのが怖かったです。

しかし同時に、お福の聡明さ、精神力の高さ、とっさのときの判断力と、魅力も描かれています。かっこいいし、威圧感もあります。良くも悪くも、人の上に立つ能力のある人でした。

ただこの人が養母だとかなり怖いかもしれません。

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以上です。参考になれば幸いです。