ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

『メルヘン課長とノンケ後輩くん』ミナモトカズキ RYU COMICS 全4巻 感想

このブログには広告・アフィリエイトのリンクが含まれます。

メルヘン課長とノンケ後輩くん(1)【電子限定特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)

 

あらすじ・概要

ゲイであることをオープンにしている犬飼課長は、実はメルヘンな恋愛観の持ち主である。それを見抜いた後輩の高木は、課長に好意を持つ。後輩にアプローチを受ける課長だったが、ゲイであること、過去のこと、自尊心のことから素直になれない。

 

ド直球のラブロマンスをやりながら、マイノリティゆえの恋の悩みを描く

どうしてBLレーベルではない作品でBLを?となっていたのですが、一般レーベルでやる意味のある作品でした。

 

まずド直球のラブロマンスが展開されたことに驚きました。

自分に向けられたものではないのに高木の物言いに照れまくってときめいてしまいました。

相手のことが好きだけれど素直になれない、というベタな悩みが、課長個人の過去やアイデンティティに深く絡んでいるところが面白いです。

ゲイであることに悩み、ゲイらしく振る舞うことで心を守る課長に、後輩くんが本音で迫るのがドキドキしました。

結局テンプレを雑に書くから面白くないだけで、物語を進行するだけの理由付けさえあればありがちな話でも強いです。

 

作中に出てくるゲイあるあるは、当事者でないと書けない話でした。自分がその文化の最中にいないとこんな風にネタにできないでしょうね。

「抱いてもらえなくてタチに転向する」「住み分けが激しいので同じグループの人は似たようなファッション」みたいな話、そうなんだ……となりました。

こういうあるあるネタも、作中のモラルの高さがあってこそ成り立つものです。ギャグっぽい描写も安心して読めました。

 

 

ただ、性的な描写が多いので、そこはちょっと勧めづらいところかもしれません。でもこのテーマには必要な描写だったと思います。話に説得力を持たせるためのエロ。

 

本題に関係ないんですが、合本版があるとKindle Unlimitedの貸出上限を圧迫しなくて助かります。

 

 

honkuimusi.hatenablog.com