あらすじ・概要
第二次世界大戦、過酷な戦闘を極めたドイツとソビエト連邦との戦争。スラヴの魔女のワーシェンカとお目付け役のナージャは、戦争に協力するために戦場を行ったり来たりする。ワーシェンカとナージャの行くところには、次々と不思議なことが起こる。ミリタリーファンタジー。
魔女とリアリストのお目付け役が行く独ソ戦珍道中
スラヴの魔女とユダヤ系でリアリストな軍人がドイツとロシアの戦争を駆け巡ります。行く先々でオカルトな事件が起こり、魔女の知識や妖精、魔物、聖人たちの助けで解決します。ときには害をなす人外たちと戦うことも。
スラヴ文化に登場する多種多様な妖精、魔物、キリスト教の聖人たち。彼らは祖国のためにロシアにつくこともあれば、何のためらいもなくドイツに味方することもあります。特定の人間に入れ込み、助けようとすることも……。
人外キャラクターがとても人間くさく、なおかつ人ではないからこその展開もあって、面白かったです。
キリスト教なのにそれ以前の神々とキリスト教文化が融合してしまっているの、楽しいですね。
コミカルな物語であってもテーマは戦争なので、ユダヤ人虐殺や捕虜になったソ連兵の寝返りなど、重たい話も書いてあります。
はっきり描いていない部分もあるので、意味がわかると怖い話のようですね。
百合要素についてはにおわせるだけかと思ったら、終盤がっつり描写してきました。お幸せに……とは政情的に言いづらいですが、カップルとしては好きでした。
ソ連は崩壊しましたが、そのあとロシアがまたウクライナに戦争をしかけてしまいました。
作中の主な戦場がウクライナなので、連載当時は発生しなかった文脈が発生してしまっています。やっぱり戦争はフィクションの中だけで起こってほしいところ。