ブックワームのひとりごと

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『呪詛抜きダイエット』田房永子 大和書房 感想

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呪詛抜きダイエット

 

あらすじ・概要

著者は慢性的に肥満であり、カロリーの高いものを過食するくせがあった。自分の外見にコンプレックスがあるのになぜ痩せられないのか。自分の心を掘り下げてみると、そこには矛盾と葛藤があった。ままならない自分の体と付き合い、少しでも楽に肯定的に生きるためにダイエットするコミックエッセイ。

 

 

自らを呪う偏見と決別しダイエットをする

嘔吐を伴わない過食状態だった著者。しかし普段の生活や医者が「過食症ではない」と判断したことから、治療が遅れてしまいます。

自分のような人間が精神科を受診してもいいのか、その迷いが病的な状況を引き伸ばしてしまいます。精神科受診への偏見や誤解を取り去る必要があります。

一方で、せっかく医者にかかっても、頭ごなしに決めつけられ傷つくことがあります。著者もまた医師の誤解によって治療から遠のきます。残念ながら、精神科医にもやる気のない人たちはいます。精神疾患当事者としては、適切な治療をしてくれる精神科医を増やしてほしいところです。

 

著者が自分の中を深掘りすると、太っていることをみっともないと思いながら、「自分は太っていなければならない」という意識に取り憑かれていることがわかりました。ひとつの体に矛盾した心が入っていることが苦しそうでした。自分の抱える矛盾を解くことで、著者は前に進めるようになります。

 

相変わらず著者の暗示のかかりやすさには心配になるところがありますが、本人が納得してやっているのであればとやかく言えないですね。

前世療法などの、非科学的なカウンセリングをやっているのを見ると騙されないかはらはらします。

しかしこういう暗示のかかりやすい人だから、ポジティブな暗示にもかかりやすく、効果が実感しやすいのかもしれません。