あらすじ・概要
葬儀屋に就職した著者は、そこでさまざまな体験をする。遺族や喪主にどう寄り添うか、葬儀という儀式をどう滞りなく進行するか、僧侶や関係会社とのやりとりはどうするか……。仕事に向き合い、考えるうちに、人間としても成長していくコミックエッセイ。
葬儀屋でないと出てこないエピソードが面白い
感動的な話から、ブラックジョークのような話まで取り揃えていて面白かったです。葬儀屋独自のエピソードや知識がふんだんにありました。
印象的だったのは、喪主や遺族のリクエストに応えていろいろな葬儀に対応することです。
絵の教師だった故人を偲ぶために、教え子たちに棺に絵を描いてもらいたいという遺族。その提案を受け入れ、どうやって実現するか考えるところが面白かったです。
実際自分が喪主になるときはこんなこと考える余裕がなさそうですが、こういうイレギュラーな要望にも対応してくれるのは安心感があります。
葬儀という場所で故人とお別れをする人たちを見ていると、弔いは生きる人のためのものでもあると意識してしまいます。
死後の世界があるかどうかなんてわかりません。しかし死者のために祈り、儀式を行い、別れをすること自体が人の心を支えます。
かつて読んだ『葬送の仕事師たち』を思い出しました。

