ブックワームのひとりごと

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『フランス史10講』柴田三千雄 岩波新書 感想 フランスの権力構造の変化をたどる

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フランス史10講 (岩波新書 新赤版 1016)

あらすじ・概要

ヨーロッパの中央に位置するフランス。そこは権力をめぐるかけひきが渦巻く場所だった。ドイツやイギリスなど近い国との関係とともに、フランスの権力構造の変化や、絶対王政、共和制ののなりたちを語る。

フランスにおける権力交代を知る

ややこしい単語も多くてわかりづらいところが多かったですが、面白かったです。フランスにおける権力の交代がわかりました。

フランスがなぜ絶対王政を実現できたかというと、カペーの奇跡というカペー王朝の運の良さが挙げられます。比較的長命で君主の素質があり、また、跡継ぎに恵まれた王様が多かったのです。カペー朝の安定した政治でフランスは一気にヨーロッパ一の先進国に上り詰めます。

絶対王政を成し遂げた理由が一種の偶然であることが面白かったです。ひとりが有能なのならともかく、複数人が有能なのはそれは運でしょう。

王権を強めたフランスは、君主ひとりに権力が集中するようになります。

絶対王政をやっていたフランスですが、ヨーロッパでの革命の先駆けとなった国でもあります。徐々に王や貴族の権力が疑われるようになり、絶対ではなくなっていきます。革命からナポレオンの皇帝就任までは政治的な混乱が続きました。おごれるものも久しからずという感じです。

絶対的な権力もまた倒れ、新たなリーダーが誕生していきます。それに伴い人々の価値観も変わっていきます。そこが面白い本でした。

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