ブックワームのひとりごと

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『モンプチ 嫁はフランス人』じゃんぽ~る西 祥伝社 全3巻 感想 フランスと日本の文化差と子育て

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モンプチ 嫁はフランス人 (FEEL COMICS)

 

あらすじ・概要

フランスで暮らしていた著者は、日本に戻ってからフランス人記者の女性と結婚した。子どもも生まれ、家にいることの多い著者は子どもの世話を引き受けることとなる。フランスと日本の違いや、夫婦生活の事情、子育ての喜びや苦労などを描くコミックエッセイ。

 

フランスと日本の文化差と共通点と

作者の妻、カレンさんのキャラクターが面白かったです。キャリアウーマンでモノトーンのファッションを好むいかにも「強い女」ながら、その実自分が日本になじめるかは結構気にしています。電車内の人に話しかけて「怪しい外人だと思われた」と落ち込んだり、義理の家族とのもめ事を避けようとしたり。

我ながら「○○人だから」「こういう属性だから」というのは偏見だったなあと。

人間はみんな分かり合えないものですが、それでも「共通する」部分を見るのは大事だなと思いました。

もちろん日本人と違う部分もあります。

フランスは交渉して当たり前なので、意見の対立を避ける日本人よりは要求をすぐに伝えます。

フランスのカップルはキスが愛情表現なのですが、カレンさんが先に寝ているので著者がキスをしないでベッドにもぐりこんで寝ようとしたら「キスしてください」と泣いて頼んだシーンが印象的でした。泣いている部分は誇張かもしれませんが、そんなに大事なんですね。日本人からは想像がつかない話です。

 

著者がフランスと日本両方で活動しているだけあって、フランスがらみのイベントに参加する話も面白かったです。

みんないい人だけど計画性のないフランス人! 対談やインタビューを依頼されたけど違うことをしゃべってしまうなど、笑いました。

著者に向けられた質問を見ると、フランスの人も海外から自分たちがどう見えるか気にしてるのだろうな、と思います。「海外の目が気になるのは日本人だけ」みたいな言説もありますがそうでもないでしょうね。気にする人は気にするでしょう。

性加害について政治的なスタンスを表現してほしいと頼まれたシーンも印象的でしたね。これも私だったら著者と同じように迷いますね。初対面の人の政治的活動に同意してくれと言われたら難しいかもしれません。

著者は結果的に賛同することにしますが、これがいい方向に向かうといいなと思います。

 

 

 

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