ブックワームのひとりごと

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『老いる自分をゆるしてあげる。』上大岡トメ 幻冬舎文庫 感想 老いを科学して受け入れる

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老いる自分をゆるしてあげる。 (幻冬舎文庫)

 

あらすじ・概要

健康に気をつけていたはずが、体の衰えを感じるようになってきた著者。著者はとある医者の老女と共に、科学から老いを学びはじめる。老いの速度を緩やかにしつつも、変わっていく自分を受け入れ、楽しく生きていく秘訣とは。

 

科学の視点から老いを追う

タイトルとは裏腹に、科学の観点から「老い」を追っていくコミックエッセイでした。

多くの動物は繁殖ができなくなるとそこが寿命になります。しかし人間は加齢によって生殖能力がなくなっても生きることができます。最初からそうだったわけではなく、どうも人間は死ぬ前に老化できるように進化してきたようです。

細胞分裂を司るテロメアや、マウスの実験の話が面白かったです。テロメアは伸ばせないのがもどかしいですね。

老化のシステムを研究すると命の不思議に行き当たるのが面白いですね。

私も現代の感覚としては若い方と言えど、全盛期は過ぎたので気になる話題ではあります。

 

作中では老化を緩やかにする方法がいろいろ語られます。同時に「いつまでも若々しく」というテーマではありません。己の老いを見つめ、観察することによって老いを受容していく内容です。

老いることでできなくなることは増えますが、それでもそこで終わりではない。そんな希望を感じる作品でした。

 

 

 

 

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