ブックワームのひとりごと

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『POCHI』小花美穂 りぼんマスコットコミックス 感想 犬として扱われた少年の話

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POCHI (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)

 

あらすじ・概要

山奥で祖父と暮らしている美紅。お金がないなりに、日々を暮らしている。そんな中、美紅は無垢な少年、斗望に出会う。斗望の素直さ、純真さに惹かれていく美紅だったが、彼には秘密があった。そして、美紅を目の敵にするクラスメイトの直美との関係も険悪になる。

 

善悪の境界が危うい少年に恋する

純真だけどそれゆえに善悪の境があいまいになりがちな少年、斗望の姿がかわいらしくもあり、怖くもありましたね。

斗望は母親に犬として扱われていた時期があったせいか、年齢よりも人間的に幼いです。そこが危うくもあり、純真でまぶしくもあります。

斗望は既存の価値観にとらわれないので奇行を繰り返しますが、主人公の美紅はそれも含めて斗望に惹かれていきます。その恋愛描写が魅力的で、わかるなあと共感しました。カラスの着ぐるみを着る中学生男女かわいいですね。

 

終盤になると今でいう宗教二世の問題が語られます。当時はこの手の話は珍しかった記憶があります。美紅は宗教にハマって修行施設から出てこなくなった両親に会いに行きますが、それは失望で終わります。子どもにこんな失望をさせるな! と思いながらも、こういう親子もいるよなあと思います。せめて美紅は親の価値観にとらわれず、前向きに生きていってほしいです。

 

この漫画、少女時代りぼん購入してたときにリアルタイムで読んでたな~と思いだしました。

最後の彫刻が公開されるシーンは強く思い出に残っています。美紅に信仰はありませんが、どこかスピリチュアルな作品になっているのが思わせぶりではあります。

 

 

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