あらすじ・概要
双極症×はたらくをテーマとした「双極はたらくラボ」を運営する松浦秀俊が、当事者として自ら病気との付き合い方を紹介する。スマートウォッチなどのデジタル機器を使った病状の把握の仕方と、周囲とのコミュニケーションのことなどを具体的に語っていく。
当事者が当事者のために役立つ情報を共有する
もともと著者と株式会社リヴァが運営しているYouTube「双極はたらくラボ」を追っているので知っている情報もありましたが、文章で読むと改めて振り返れてよかったです。
躁うつ病→双極性障害→双極症と言葉が移り変わっているのですが、結局躁うつ病というのが一番わかりやすいのに共感しました。精神分裂症→統合失調症はあまりにも言葉が過激すぎるから仕方ないとして、躁うつ病の病名の変化はちゃんと当事者の意見を聞いてやっているのでしょうか? 結構想像で「この病名は偏見を生みそうだから……」と変更されている感じがします。
周囲とのコミュニケーションの問題も、個人的にしょっちゅう悩んでいることなので参考になりました。躁でコミュニケーションしすぎてもいけないし、うつでコミュニケーションを回避しすぎてもいけない。バランスが大事なのはわかっていますが、どうも極端に振り切れてしまいます。私も気軽に周囲に助けを求められるようになりたいです。
精神疾患における問題点は、当事者側による発信が足りないということです。SNSやインターネットサービスを通して、「当事者による、当事者に役に立つ情報」の共有が始まっています。医者が完全に当事者の立場には立てない以上、このような発信は必要です。双極症だけではなく、他の疾患でも発生してほしい動きです。
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