あらすじ・概要
汚部屋住人の母親を持ち、父親ともわだかまりを抱える著者。「おそらく自分は生涯独身で過ごすのだろう」と気づき、ひとりで生きていくことについて考える。健康面の問題や、家族のこと、容姿のことなど、ひとつひとつ悩みながら独身でサバイバルすることを目指す。
ガミースマイルって初めて知った
「サバイバル術」と言うには汎用性がない気がしますが、「大変な立場にいるなあ」という点では面白かったです。
人は40歳で狂うという俗説がありますが、狂う理由も人さまざまで、メンタルをやられながらも生き延びるしかないんだと思います。
歯にかんするあれこれは、今までテーマにしてこなかった人が多いだけに面白かったです。
ガミースマイルと言う言葉も初めて知りました。歯茎を大きく出して笑ってしまう人のことだそうです。癖や習慣ではなく、あごの構造でそうなってしまうとか。
外見だけではなく虫歯や口臭の原因になるそうです。
著者がガミースマイルの手術を決意するまで、そしてそれにかかった金銭について興味深く読みました。
親がめちゃくちゃだったり、健康面に不安があったり、将来のこともわからなかったり、不安だらけの日々です。
そんな中で、ところどころに出てくる著者の友人や、ヤバい親を持った同志である弟との関係が救いでした。
血がつながらなくても、助け合ったり声をかけあったりできる人がいるのはほっとします。そういう人のいるありがたさが身に沁みます。
『母が重くてたまらない 墓守娘の嘆き』信田さよ子 春秋社 感想