あらすじ・概要
戦後、南北に分割され、南側の朝鮮半島国家となった大韓民国。その歴史は、大国に翻弄され、弾圧や虐殺の爪痕残るものだった。歴史に韓国という国が登場した瞬間から、近年の韓国の諸問題まで、第二次世界大戦後の韓国の歴史をたどっていく本。
大国に翻弄されたり弾圧があったり
そもそも敗戦国でもないのに南北に国家が分断された時点でとばっちりなのですが、韓国の不幸はそれで終わりません。
軍事政権の中で弾圧、同国民同士の虐殺を経験し、西側・東側諸国の思惑に翻弄され続けていました。韓国を翻弄したのは、日本も含まれます。
隣国に同民族の独裁政権を抱え、悪化する経済に苦しむ韓国の姿はつらかったです。
韓国の人々はデモに対して迅速ですが、これを読んでいると「デモに迅速に参加しないと国が壊れる危機がいくつもあった」ということがわかります。そのおかげで韓国の人たちはとてもデモに慣れています。
その姿はたくましいですが、一概に面白がることもできません。それだけ民主主義の危機が何度も起こったということなのですから。
大統領の交代劇も韓国から見るとそういうことなのか~となりました。よその国から見ているとわからないですからね。
現代の韓国は、少子化や不景気、大卒の就職難などデモでは解消されないだろう問題に悩まされています。私も韓国籍の友人が何人かいるし、彼ら彼女らの苦労を思うとなるべく日本と韓国の関係がいい方がいいと思います。もちろん、韓国が安定した民主主義を実現できることも。
パワフルでそしてどこか悲しい、歴史書でした。
