ブックワームのひとりごと

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『春のたましい 神祓いの記』黒木あるじ 光文社 感想 コロナ禍後の神々を鎮めるファンタジー

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春のたましい~神祓いの記~

 

あらすじ・概要

疫病がはびこり、人々が祭りに集えなくなった世界。そこでは祀られなくなった神々が人々に悪影響を及ぼしていた。彼らを時に祓い、時に祀りなおす公務員ふたりの活躍を描いた和風伝奇ファンタジー。

 

コロナ禍を題材とすることで祀られなくなる神を描く

コロナ禍をモチーフとした和風ファンタジーです。こういう物語が描かれるようになると、フィクションの中でもコロナ禍を捉えなおし、解釈しようとする動きがあるのだなと感じます。時代の流れを見ているようでした。

主人公たちが相対する神々はよいものでも悪いものでもありません。しかし祀ることによって神としてのアイデンティティを得て、人に悪さをしなくなります。神に役割を与えることによって鎮め、祀りをもってそれを維持するのが宗教的に面白かったです。

 

主人公たちが旅するのは過疎地が多く、それゆえに祀られなくなっていく神がどんどん増えていくのだろうなと思ってしまいました。

コロナウイルスの蔓延によって地方と都会の格差や、近いうちに消滅してしまうだろう自治体の存在を改めて認識することになりました。だからこそある意味時事問題を取り扱ったファンタジーと言えます。

 

世界観やキャラクターが悪くなかっただけに、いかにも続刊を出そうという伏線が発生していたのは逆に良くなかったと思います。

やはり一冊でどれだけできるか勝負してほしいところですね。

 

 

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