あらすじ・概要
片親で親の代わりに家事をしている子ども、障害や病気のある家族を世話している子ども、幼いきょうだいを世話している子どもを「ヤングケアラー」と呼ぶ。ヤングケアラーの統計上の実態と、具体的な事例、これからの解決策について考えていく。
ヤングケアラーの複雑な気持ちを尊重する
序盤は統計とともにヤングケアラーの実態に迫ります。どの家族をケアしているのか、よくある悩みとは何か、解説します。
中盤からは具体的なヤングケアラーについての事例を取り上げます。
ヤングケアラーというとどうしてもいかにも困っていそうな外見を思い浮かべるでしょうが、この本に寄稿している元ヤングケアラーの女性は進学校に行き生徒会やイベントに活発に参加していました。また、不登校児童が実は本人の問題ではなくヤングケアラーとして扱われているからこそ不登校になってしまった場合もあります。
子どもがヤングケアラーになるのはどんな家庭にも起こりえます。裕福な家にも幸せそうな家にもヤングケアラーはいるかもしれません。大人がその可能性を頭の片隅に置いておくのが大切だと感じました。
ヤングケアラーの心理も複雑で、家族を愛する気持ちと介護がつらいという気持ちの間で葛藤していることも多いです。そこで頭ごなしに意見を言うと、子どもが心を閉ざしてしまうこともあります。
子どもの家族を思う気持ちを否定せず、ただ「あなただけが苦しむのはおかしい」と言い続けるのが大事なのだと思います。
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