ブックワームのひとりごと

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『東京のヤミ市』松平誠 講談社学術文庫 感想 戦後を生き延びる人々のたくましさと猥雑さ

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東京のヤミ市 (講談社学術文庫)

 

あらすじ・概要

戦後の焼け跡で、裏物資が取引された「ヤミ市」。ヤミといっても、物資の配給が貧弱な中、人々はそこに集わざるをえなかった。公然と行われる「ヤミ取引」から生まれた文化や、ヤミ市を運営していたテキ屋組織の存在など、東京の俗っぽく生々しい過去を描く本。

 

公然と行われるヤミ市のすがた

ヤミ市って公然と知られている時点でヤミではないだろう、と思いますが、この本はその部分にも言及しています。政府が黙認どころか積極的に介入するなど、当時の人が「存在するもの」として扱っていたのがわかります。

一方で、ヤミと言われるからには非合法なことも行われていました。恐喝や脅しがあったり、健康に悪い粗雑なお酒を売って儲けたり。

戦後、ひとまず戦争は終わったものの、今日と同じ明日が来る保証はありませんでした。人々は焼け出されて多くを失い、今後日本政府がどうなるかもわかりません。そのため享楽的で刹那的な雰囲気がヤミ市を覆っていました。

私の地元、大阪にもヤミ市跡は多く、その跡は商店街になっているので親和性が高い本でした。

 

普段うやむやにされがちな在日コリアン、在日中国人の存在がはっきり言及されていたのも面白かったです。

差別され排斥される立場ではありますが、彼らは結構エネルギッシュだし、それゆえに日本の歴史に影響を及ぼしている部分があります。

整った部分を見るだけではわからない、国際都市東京の一面を感じました。

 

 

 

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