あらすじ・概要
新型コロナウイルス流行時、著者である桜庭一樹は東京で暮らしてきた。中国で発生したパンデミックは世界中に波及し、やがて日本も飲み込んでいく。マスクの品不足、飲み会や会食の自粛、そして外出自粛……。目まぐるしく変わっていく情報に押し流されながら暮らした当時を振り返る日記。
コロナ禍のことを忘れてしまっている自分に驚く
まず何よりコロナ禍を経験していたのに、そのときのことを結構忘れてしまっている自分に驚きました。つらいことを忘れるのは人間の防衛反応とはいえ、私の薄情さにちょっと悲しくなりました。
本の中にあるように、実際にはコロナ禍でたくさんの人が死んでいきました。関連があるかはわからないですが、自死を選んだ人たちもいます。
コロナ禍が収束しても失われたものは戻ってきません。ならば亡くなられた人たちのことをときどき思い出すことが救いかなと思います。
この日記を読んでいると、「そうそうこんなことがあったな」という連続でした。オリンピックのこと、外出自粛のこと、海外のように大規模なロックダウンをすべきかどうかという議論。
部屋の中で情報の嵐に震えていたころのことを懐かしいような悲しいような気持で読んでいました。
コロナ禍は私にとっても苦しい思い出でしたが、それでもこうして書き留めて記録に残そうとしてくれた人がいるのに感謝したいです。
『読まれる覚悟』桜庭一樹 ちくまプリマー新書 誤読や齟齬から「読む・読まれる」関係を考える

