ブックワームのひとりごと

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『新世界より』貴志祐介 講談社文庫 人間が超常能力を持つ世界で異種族と争う

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新世界より(上) (講談社文庫)

 

あらすじ・概要

遠い未来の日本。呪力という力を持つ人々は、助け合って理想的な生活をしていた。しかし早紀をはじめとする少年少女たちは、成長するにつれて世界の真実に触れることとなる。幼い日の冒険の果てに血塗られた過去を知ってしまった子どもたちは、その後も困難な状況になる。

 

和風ファンタジー風の血塗られたSF

和風ファンタジー風の世界観で、呪力という超常の能力を訓練する子どもたちの物語です。

青春の悩みを抱えながらも、子どもたちは世界の真実に触れていくこととなります。

バケネズミという人間とは違う知的生物の存在、いつの間にかいなくなっている学友、高度に管理され制限されている情報。

その中で呪力という力がどういう歴史をたどってきたのか、また、そのせいで人類がどんな悲惨な目に遭ってきたかも知ってしまいます。

人間の心に強く結びつくがゆえに、呪力はコントロールが難しく社会に多大な影響を与えてしまいます。呪力を持った人間たちがどのように秩序を守ってきたか知った後は、どうしようもなく悲しい気持ちになりました。

 

後半は知性ある社会性動物、バケネズミとの戦いになってきます。

バケネズミを始め、この小説にはさまざまなグロデスクな生物が出てきます。主人公も含め、登場人物はそれらを気味悪く思っています。

しかし、人間もまた動物の一種であり、この社会を維持するためにグロデスクなシステムを作り上げました。そうであるのに、人間以外の知的動物のグロデスクな生存戦略を批判する権利はあるのでしょうか。

基本的に善側であるはずの主人公すら、意味もなくバケネズミを劣った存在として扱っているのが恐ろしかったです。

 

百合やBL的な同性愛要素があると聞いてはいましたが、最終的にくっつくのは男女なためそういうのが好きな人にはコレジャナイ感あるんじゃないでしょうか。

同性愛っていうより人間が複数の人を好きになってもいい社会(そしてそのひとつに同性愛がある)という感じでした。

 

シリアスな作品ではありますが、ハラハラドキドキするエンタメ性も高かったです。たまにパロディが入るのも、根本的にはエンタメ作品なんだなあという気がしました。

日本メーカーの出て来かたに笑いました。

 

 

 

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