ブックワームのひとりごと

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『サラバ!』西加奈子 小学館文庫 感想 自分を見失った姉弟の彷徨と信仰

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サラバ! 上 (小学館文庫)

 

あらすじ・概要

主人公は海外赴任をする父とそれについていく母のもとに生まれた。イランに在住していたころ革命を経験し、エジプトで無二の友人を得る。しかし家族は問題児で自己中心的な姉に振り回されることとなる。やがて夫婦は離婚し、一家は空中分解してしまった。

 

自分自身を求めてさまよう姉弟

自己中心的で自己愛的なトラブルメーカーの姉に振り回される両親。そしてそんな両親を見ていた主人公の人生もだんだん狂い始めていきます。

一家は離散してしまい、家族らしい繋がりを持てなくなっていきます。

美男子でモテるわりに、どこか斜に構えた主人公は年を経るごとにどんどん自分自身の問題で行き詰っていきます。姉を軽蔑しながらも、彼自身も姉と同じような問題を抱えていました。

自分自身を失い、さまよう姉弟はやがて一つの答えにたどり着きます。

父も母も愛のない人ではなかった。それでもたくさんのすれ違いを積み重ねるとどうにもならなくなります。その事実が痛々しかったです。

 

この作品の一つのテーマが宗教です。姉と主人公はさまざまな信仰を持つ人と出会い、それに影響されていきます。基本的にこの作品では宗教は悪いものとして描かれません。むしろ生活や価値観の一部として扱われています。

よりどころとは何か、信じるとは何か、主人公はたくさんの挫折を通して悩みます。

 

男性の同性愛者に対する描写があまりにも雑過ぎます。雑なのに何でこんな頻繁に描写を出すんだろうという話ですしね。

主人公がホモフォビア的なのは状況的に仕方ないとしても、作品としてはもっとどうにかならなかったのかという感じですね。

 

 

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